クラウド導入企画を、「IT予算として見るか?マーケティング予算として見るか?」へのひとつの回答

こんにちは、ことぶきです。

今日はいつもとちょっと切り口を変えて、Movable Type クラウド版の購買のプロセス、営業寄りのお話です。

Movable Type はソフトウェア版だけではなく、クラウド上のサーバとセットになったクラウド版も提供しているのをご存知ですか?このクラウド版は、ソフトウェア版とは全く異なる部署、異なるプロセスで各社にご導入いただいています。もちろんどちらも、導入した後に動作するのは、CMS の Movable Type なのは変わりません。ですが、パッケージングによって、ずいぶんと購買までの意思決定の様相が異なるのです。

特に最近の製品の購買プロセスを見ていると、従来のIT予算ではなく、マーケティング予算としての社内決裁が行われている例を散見します。

事業開発を担当する作村にインタビュー形式で、この件について語ってもらいました。

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Movable Type クラウド版とは

作村

Movable Type クラウド版は、ソフトウェアと仮想マシンとマネージドサービスを統合した製品です。サーバの用意も不要で、ソフトウェアのインストールも不要で、バージョンアップ作業やセキュリティ対策なども、利用許諾への承諾1つで、シックス・アパートに丸投げできる優れものです。

ソフトウェア・仮想マシン・マネージドサービスと言った、性質の違うモノを1つのサービス・製品として組み合わせたものを統合型製品(オールインワン)と呼びます。このような統合型製品だからこそ、ユーザ企業内で導入を推進する際に悩むポイントが生まれます。

ソフトウェアと仮想マシンの統合型製品ゆえに、導入推進で悩むポイントが生まれる

作村

ソフトウェア単体やサーバ単体なら、その性質と導入目的は明確です。そのため、稟議・申請する先も自ずと決まります。ですが、両者の性質を併せ持つ、統合型製品の導入を社内推進するための稟議ルートは、導入を希望する担当者にとって悩ましいポイントになっているようです。

重要な点は、その迷いの答えは、白黒はっきり決まるものではありません。少し話がそれますが、諸説あるクラウドの語源のひとつ、「明確な境界線や輪郭」を持っていないことから雲(クラウド)に例えられたという説を、私は推したいと思っています。ソフトウェアとハードウェアとマネージドサービスの境界線の無い統合型製品、すなわちクラウドには、導入における杓子定規な意思決定プロセスは存在しません。

レンタルサーバ/マーケティングツール、2つの視点から見てみる

作村

別の角度からサービス・製品を見ていきましょう。例えば、サッカーボールは、どの角度から見てもサッカーボールにしか見えない。方や、ラグビーボールは、上から見ると楕円に視え、横から見ると円に見える。カーリングの石は、上から見ると円に視え、横から見るとちょんまげ侍に見えないこともない。Movable Type クラウド版も同様に、視座を変えると視え方も変わります。さて、どのように変わるのか?

たとえば、Movable Type クラウド版をウェブサーバとして見ると、それは、レンタルサーバサービスに見えます

レンタルサーバとして見た時、期待する要件は冗長性・可能性・安全性・コンプライアンス等のシステムの堅牢性・信頼性を資するものになります。そのため、導入の妥当性の判断はシステム部門の仕事になり、予算の捻出先はIT予算やコンピュータ関連費用になります。

一方、見る角度を変えて、Movable Type クラウド版をマーケティングツールとして見ると広告宣伝の自社媒体(オウンドメディア)ツールに見えるでしょう。

マーケティングツールとして見た時、その争点は例えばCPL(見込み客獲得単価)やCPO(有望顧客獲得単価)といったKPIで考えられ、その妥当性の判断はマーケティング部門の仕事であるため、予算の捻出先は広告宣伝費やプロモーション費用になります。

システム導入の目的は?

作村

どちらの視点から見るかを考える際に大事なことは、システム導入の目的です。既にマーケティングで一定の成果を収めているウェブサイトがあり、システムダウンによる機会損失の回避や、突発的なアクセス流入に備えたスケーリング処置等が目的の時は、システムの堅牢性・信頼線の観点から、評価が行われるでしょう。一方、顧客との新しいコミュニケーションの確立だったり、新規見込み客が目的の時は、KPIを指標にしたマーケティング部門に、クラウド製品導入の判断が委ねられることになります。

稟議・上申先の部門や関連付ける費用項目の視点で見た場合、縮小傾向にあるIT予算ではなく、マーケティング予算、特にユーザ企業がいま積極的に増やしているウェブマーケティング予算の方が決裁が通りやすい傾向があるようです。

結論

作村

クラウドの導入企画を、

  • IT予算として見るか?
  • マーケティング予算として見るか?

その選択は、「最終的にどんな価値を生むための購買なのか」に大きく関わります。

システム導入企画であっても従来のIT予算ではなく、マーケティング予算での案件が、実際に Movable Type クラウド版で数件見ています。

明確な境界線や輪郭のないクラウドだからこそ、いろいろな角度で解釈・評価ができ、マーケティングプラン実施のための選択になっています。

ソフトウェアの導入をマーケティングチーム主導で判断できるというのも、クラウド製品の魅力の一つ。そして、実際にそのような案件が増えているようです。皆さまのチームではいかがでしょうか?

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