【保存版】勉強会から大規模カンファレンスまで使える! イベント主催者向けチェックリスト(イベント当日編)
こんにちは、シックス・アパートのアオキです。
セミナーやイベントに参加すると、「司会の仕切りがうまいし、スタッフさんはてきぱきしてる!(`・ω・´)」と感心させられることもあれば、「なんだこれ(´・ω・`)」と悲しくなることがありますよね。
参加人数が数名の小さな勉強会から、数百名規模のカンファレンスまで実行委員長として仕切ってきた私の経験をもとに、イベント運営ノウハウを語る連載、今回はいよいよ「イベント当日編」です。
当日の流れ、については「開催直前&前日編」で、シミュレートしながら話を進めていますし、今回はイベント開催当日の各シーンでの注意事項をまとめていきますね。
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スタッフ集合時間&集合場所は、会場の都合を考えて
イベントの規模にもよりますが、小規模イベントであれば開場1時間前の集合で十分。大規模イベントであれば、作業量も多いので、開場3時間前には集合ということもあります。
ただ、集合に関しては会場と事前に相談しておくことが必須です。当然、スタッフが集合する時間には「会場を開いて」もらわねばなりません。
大規模イベントだと、スタッフ(&登壇者)だけで数十名以上になることもザラです。「スタッフ集合時間がAM8:00」だとして、「会場を開けてもらう時間もAM8:00」だったら?
時間前に到着しようとやってきた数十名が、閉ざされた会場前に溢れてしまいます。その会場が、他の会場と一緒だったら?商業施設の一角だったりしたら?……周辺の迷惑になることは想像に難くありません。
ですので、スタッフ数が多い場合は、「スタッフ集合時間をAM8:00」、「会場を開いてもらう時間はAM7:30」などと時間をずらし、会場責任者(一人に何か不都合が発生した場合を想定して、複数人が望ましい)は集合時間の30分前には立会っておきましょう。
こうすることで、時間前に到着したスタッフが会場の中に入り、周辺に迷惑をかけることはありません。
また、大規模イベントは会場がだだっ広いため、集合場所を探し求めてスタッフが迷子になる可能性もあります。イベント会場内でのスタッフの集合場所(入口近くでも、奥の控室でも)決めておきましょう。
開場前準備
さあ、時間は限られています。準備に取り掛かりましょう! スタッフの荷物はスタッフ用の部屋を確保できていればそこに、無ければ会場後部辺りにひとまとめにしておきます。
さて、準備開始の時点では、以下の3チームに分かれると準備がはかどります。
- 受付周辺準備チーム
- 会場準備チーム
- 配布資料まとめチーム
配布資料は前日までに全てまとめられているのが理想ですが、実際は当日に一部ずつのセット作業をすることが多いでしょう。あと、準備作業中は(不要になった紙、ガムテープの切れ端など)けっこうな量のゴミが出るので、各チームごとにゴミ袋を用意しておきます。
受付周辺準備チームは、来場者のスムーズな入場を確保
受付周辺準備チームは来場者がイベント会場に入って着席するまでが、スムーズに進むための動きをしましょう。
まずは、迷わず辿り着いてもらえる動線の確保。ビル内の会場であれば、可能であれば、ビルのエントランスにイベント名、会場のあるフロアの案内などを置かせてもらいましょう。
エレベーターを降りたら、イベント会場のあるフロア。わかりやすい場所に受付のデスクと、名札ホルダーに入れる用紙とペンをセットした記名エリアになるデスクが必要です。これらは、「エレベーターを降りて、受付して、名刺ホルダーをセットして、会場に入る」という”来場者の一連の動線”を妨げず、スムーズに流れるよう配置しましょう。
受付デスクでのお仕事は、来場者確認&お金管理が最重要
参加者リストの名簿はありますか? 当日に参加費を現金決済するならば、そのお金をいれるメッシュケース、お釣り、電卓、領収書が必要ですね。絶対に、誰もいなくて現金がほったらかしな状態にはしないように!現金のやりとりが発生する場合は、管理責任者を一人決めておくのが良いでしょう。その人は「お金から目を離さない代わりに、他の業務は一切しない」くらいでいいと思います。
記名エリア
名札ホルダーにいれる用紙とペンをセットしたデスクですが、受付のすぐ隣には設置しないのがコツ。受付は基本的に混み合うので、少し離れた場所に設置して、スペースと人の動線を確保しましょう。いっそ、会場の後部にそういったスペースを設けてもいいかもしれませんね。
会場準備チームは、イベント開催中トラブルなくつつがなく進行できるための準備を念入りに。
機材は動作しますか?
まずは「プロジェクター」と「マイク」など、イベント必須機材の動作確認。
プロジェクターは無事に映りますか? 明るさはどうでしょう。電気を消した方が映りが良いか、カーテンを閉めた方が良いのか、明るさの具合も考えましょう。
マイクの音声はスピーカーにつながっているでしょうか。どちらかのマイクが極端に音量が低くなったりしていませんか? 登壇者と司会者、予備にもう一つマイクがあれば(これは会場設備次第ですが)安心でしょう。「3本も使わないよ」などと思わず、全てのマイクの音声をチェックしましょう。質疑応答時に、3本目がきっと必要になります。
回線環境の確認
そしてネット環境のチェックも重要です。スタッフ用と参加者用に、アクセスできるネット環境を分けるならば、そのどちらも問題ないかしっかリ確認しましょう。ネット接続関連はトラブルやSOSが発生しがちですから、担当者を決めておきましょう。
最初の状態の会場を撮影して、現状復帰の参考に
机の配置を変える場合、元の配置がどうなっていたか、横何席×縦何列、とメモをしたり写真を撮っておくと良いでしょう。イベント終了後、会場はきちんと現状復帰して終えるのがお約束ですからね。あと、最後尾の座席は、スタッフや登壇者用の「関係者席」として確保しておきましょう。
あとは、ゴミ箱を用意し、「会場ネット環境情報 SSID&パスワード」や「全席禁煙」など、準備しておいた「会場の各種案内用紙」を貼り付けていけば、大まかな会場準備はひと段落です。
配布物は、机上に並べておくのがオススメ。その理由は……
まずは配布資料を一部ずつのセットにしていかねばなりません。大きなイベントであればあるほど部数は当然増えますので、この準備が結構大変なのです。
セットし終えた資料は、受付で配布するか、事前に机に並べるか、二つの方法がありますが、個人的には、事前に机に並べておく方をお勧めします。プログラムとアンケートは、資料の一番上にセットしましょう。
受付で配布する方法もありますが、渡す&受け取るやりとりに時間がかかります。資料を手にした「不安定な」状態(袋に入っていても、配布資料って持ち歩くには結構邪魔ですよね?)だと、とりあえず荷物と資料をさっさと置きたいから、後部座席から着席されてしまうという悲しいパターンになりがちだからです。
事前に机上に資料(と飲み物)を配布しておけば、参加者は慌てずに座席に着席できます。また資料に手が付けられていない場所は空席の可能性が高い、など案内の人の参考情報にもなります。
そして、これもまたありがちな現象ではあるのですが、100名収容できる会場に参加者が50名しかいないとき、後部座席ばかり埋まってしまって、前席がスカスカに空いてしまっていることがあります。
こういう場合の対策として、「座ってほしい席(前方席)」の辺りにだけ、最初に資料を限定して配布しておけばいいのです。そして誘導時に「資料を配布している席にお座りください」と声をかければ、前の方から着席してもらえるのです。
席が埋まってきたら、残りの資料を後部の方にも配布していく…という手間は生まれますが、「前方がやたら空いてしまって、何だか賑わった感が出ない」現象の回避はできます。
登壇者の案内と、機材接続準備
開場前にいらっしゃった登壇者は、登壇者用に確保した部屋あるいは席に案内しましょう。登壇者はお忙しい方々ですので、ご足労へのお礼を伝えることも忘れないように。あと、初めて会う登壇者同士の方も多いでしょう。そういった場合は、「この方がXXXさんです」などと紹介の手助けまでする心配りを忘れないように。
事前にプロジェクターやマイクのテストを希望する方もいるでしょうから、是非していただきましょう。
ここまで来れば、大体の開場前準備はほぼ大丈夫。後は、トイレの案内や喫煙所の案内など、スタッフ一人一人が場所を確認しておくこと、実際の参加者のつもりになってシミュレートして、参加者の動線を考えて微調整します。
ついに開場&イベント開始!
いよいよイベントが始まります!緊張と喜びの一瞬です! 実行委員長さん、イベントの準備にずっと必死で、実は開会の挨拶の準備できていなかったりしませんか? 今が最後のチャンス、しっかり原稿の復習をしておきましょうね。
受付の流れを止めない
開場からイベントが始まる直前まで、どんどんと受付が混んでいきます。受付が混みだして、人が並ぶようになったら「最後尾」を決めて列を形成します。そして列に並んでいる間に「当日現金決済する方はお金の準備を」、「領収書が必要な方は一人一枚お渡ししています」、「名刺フォルダーをお渡ししますので、名刺のご準備を」などと声をかけて、受付がスムーズに進むようにサポートしましょう。
会場の中の人の流れを止めない
受付を終えた参加者が、会場の中に入ってきたら積極的に「前方の方からご着席ください」、「席数が限定されておりますので、お手周りのお荷物を座席に置かないようにご協力お願いします」などと、とにかく声掛けは止めないでください。
そして、通路で立ち話をしている複数の参加者様……そこで通路が塞がれて、他の人が進めず、他の通路にUターンしているような状況を見つけたら、そっと「ご歓談のところ申し訳ございませんが…」と声をかけて通路の占有を解くことも必要です。
座席が埋まってくると、通路側の席が埋まっている為に、中の席に行けない…とウロウロする参加者が必ず出てきます。そういった場合は、座席の融通が効くように、参加者に声をかけて席を案内する手助けをしましょう。
自分自身がイベントの参加者であったときに、こういった「着席するまでの不都合」は誰しもが体験しているはずです。そんなとき、「スタッフがなんで助けてくれないの!」って思ったこと、ありませんか? その気持ちを思い出して、参加者が気持よくイベントに参加できるように手助けをすることを忘れないでください。
イベント開始直前にありがちなこと
何らしかのトラブルで、イベントの開始が遅れることがあります。
こんなとき、「数分だからわざわざアナウンスしなくても…」はダメです。数分の遅れでも、参加者は「時間通りに始まるはず」という期待を持っています。時間通りに始まらず、何やらスタッフが慌ててヒソヒソコソコソしている様を見せられる……のは気分がいいものではありません。
「イベント開始時間となっておりますが、あと5分程お待ちくださいませ」のアナウンスだけでは気が効いていません。「その間に、喫煙場所とお手洗いの場所を案内します」など、上手く時間を稼いでください。
さあ! もう大丈夫でしょうか? イベント開始宣言をしましょう!!
イベントの最中
イベント開始前の準備と受付の嵐が過ぎれば、イベントの最中はスタッフがゆっくりひと息つける時間です。長丁場のイベントであれば、この間に交代でスタッフは食事など取りましょう。
そんな中、イベント最中でも気が抜けないのは「司会」です。
司会&進行
登壇者の紹介や講座の開始を告げる「司会」と、開場の諸注意やその他諸々の案内を臨機応変にする「進行司会」を分ける場合もありますが、実際はどちらも一人が請け負うことが多いでしょう。
ただ原稿を読むだけなら、誰でも司会はできます。でも、司会本人は「ただ原稿に沿ってしゃべっているだけ」のつもりかもしれませんが、会場の参加者側からすると、司会は「スタッフの中で一番目立つ立場」です。ですので、司会への期待は実はかなり高いと思ってください。
トラブルが発生した時、壇上でオロオロしている司会……。講演時間がオーバーしたのに、登壇者に声もかけずオーバーするのをただ黙っている司会……。
参加者はイライラします。イベントへのマイナスゲージが上がっていきます。それでいいでしょうか?登壇者の近くにいる司会がマネキンであってはいけないのです。
デモをしようとしたら機材がうまく動かない。登壇者が慌てる。参加者もイライラする。そんなとき、司会からただ一言、「現在、トラブルが発生しているようですので、もう少々お待ちください」とアナウンスするだけでいいんです。
会場のムード次第では、「お客様の中に、Macのお医者さんはいらっしゃいませんか?」などとユーモアを含めたアナウンスをしてもいいですね。
司会に求められるのは「臨機応変」のスキルと「度胸」です。どんなにがんばって丁寧に準備しても、なにかしらのトラブルは発生してしまうものです。会場の雰囲気をまとめ作り上げるのは、司会のアナウンス次第なのです。
講演が終わったら「XXX様、ご講演ありがとうございました」だけではなく、「現在大変話題になっているXXXについて、その裏の技術の一端を紹介していただき、参加者の皆様にも大変ご満足いただけたのではないでしょうか」などと、言葉も添えられるといいですね。よって、司会も講演内容をしっかり聴いておかないと、ダメですよ。
タイムキーパーは、時間を守らせる&調整するのが大事
プレゼン終了時間を通知するタイムキーパーは、残り時間5分などになったところでベルを鳴らす、または残り時間を書いたボードを掲げる場合が多いでしょうか。
ボードを掲げる場合で、ラウンドガールよろしく「10分前」、「5分前」といったボードを会場の背後からかざす場合の注意点をひとつ。
登壇者は大抵、会場の隅に登壇台が設けられていて、そこで話している場合が多いです。なので、登壇者の視界は、自分が立っている場所と「対角」に向けられているんです。なのに、登壇者の「対角」に回らず、こっちを見て!とピョンピョン飛んでアピールをしているタイムキーパーさんがいます。
飛んでアピールするなんて大間違いです。登壇者の視界側に自分が動いて、見えるようにボードを掲げましょう。
時間を「調整」するのも仕事
しかし、タイムキーパーの仕事は、時間を教えるだけではありません。トラブルでオーバーした時間を、どこかで解消しなければなりません。その調整を計り、司会や周辺のスタッフに伝令する役目も負っています。
質疑応答や自社のプレゼンなど、予定より数分縮められるプログラムがあるか、事前に確認できるといいですね。
休憩時間は2講演ごとに
休憩の場は必ず作りましょう。ひとつの講演ごとに休憩があるのが理想ではありますが、時間の都合で許されないのであれば、せめて2講演後に1休憩は必要です。
休憩は人が大きく動く時間です。このときも会場内に目を配り、人の流れがスムーズに動くように声掛けをしていきましょう。
休憩時間中に、「次回のイベント案内」、「アンケートに書く為の筆記具の案内」、「ゴミについて」など各種案内もするといいですね。視線でスタッフを探している参加者も、必ずいる筈です。積極的に声掛けをしてください。
プログラム終了
全ての講演が終わりました。イベント終了宣言の前に、アンケートの事や各種案内をアナウンスした方がいいでしょう。人の心理として、終了宣言が終わればもう座席を立ってしまう参加者が多いでしょうから。
プログラムが終了すると、ホッとして気が抜けてしまうと思いますが、仕事はまだ残っています。あと一息!!
アンケートは、なるべく確実にかいてもらいたい!
筆記具を持っていない参加者のために、貸し出しも必要ですね。アンケートを記入いただいたら入り口で回収するのか、机の上に置いておいていただくか決めておきましょう。個人的には後者の方がいいかなあ、と感じています。なぜなら、入り口で回収すると、人の流れを止めてしまうから。
忘れ物&ゴミの確認
忘れものが無いかの確認を促し、ペットボトル等ゴミの処理についての案内もしなければなりません。不幸なことに忘れ物があった場合は、見つけた席の場所、忘れ物の写真を取り、イベントのTwitterやFBイベントページなどに掲載して持ち主を探すことになるでしょう。
名刺フォルダーの回収、わすれない
そうそう、最初に配った名刺フォルダーを回収するならば、それも忘れずに。余った資料やノベルティを返却せずに渡せる場合は、「予備の資料にいかがですか?」と案内してみましょう。
懇親会のご案内
イベント後に懇親会はありますか? キャンセルは基本的にマナー違反ではあるのですが、やむを得ない理由で当日キャンセルは発生することもあります。キャンセルする人は、スタッフに伝えてもらうようにしましょう。
また、懇親会会場が別の場所にある場合「懇親会会場に向かうために、イベント会場付近でたむろしてしまう」ということもよくあります。これが商業施設の一角でだったりすると、これまた周辺の迷惑になってしまいます。人の流れを止めないように、懇親会会場にスムーズに移動できるよう、スタッフの配置とアナウンスも重要になってきます。懇親会については、次回の記事で詳しく書きます。
いかがでしたか? ひとつひとつは、「特別なことじゃなくね?」と思うかもしれません。しかし、イベント当日は誰もが余裕がなく、全体を把握しながら動くことが難しいものです。こういった注意事項がイベントの最中にはあるのだと、事前に知っていれば少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。
スタッフの中には、「今まで一度もイベントに、参加者側として出たことが無い」という人はいないでしょう。そこで感じたこと忘れずに。会場を見渡せば、やるべきことは必ずあります。
万全を期しても予定通りには進まないのがイベント。当日のトラブルにはビックリして慌てることでしょう。想定外は起きるものだと腹をくくっておいてください。でも、このイベントを作り上げた仲間、スタッフと協力すれば、大丈夫! 皆の力を合わせれば解決できます!
イベント当日は、この後に当然片付けがありますし、懇親会もあればまだまだイベントは終わりではありません。この記事が、皆さんのイベントのお手伝いや参考になれば幸いです。
次回は多分最終回!(のはず) 「イベント終了後編」です。
第1回から読む
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