Facebookスライドショー広告の特徴・出稿方法・実践してみた感想をまとめました
MovableType.net マーケティング担当のミコトです。
昨年10月から、Facebookでスライドショー形式の広告を出稿できるようになりました。スライドショー広告とは、数枚の静止画を自動で切り替えて動画のように再生する形式の広告です。1カ月ほど実践してみたので、出稿方法と押さえておきたいポイント、その結果をまとめます。
静止画数枚を動画のように見せる「スライドショー広告」
MovableType.net では、昨年の8月から約1年ほど、Facebook 広告を出稿しています。スライドショー広告を始める前までは、このような画像にテキストを添える、シンプルな形式で出稿していました。
1年間運用した結果、この形式でも、画像を差し替えたり、ターゲティングやメッセージを調整することで、リンクのクリック数やフィードへの表示回数を改善できることがわかってきました。
一方で、今年に入ってから「動画マーケティング」の接触頻度が高まっています。Facebookでも、料理の動画や360°視点を動かすことができる動画など、動画広告を見かけない日はありません。
静止画を使った広告と、動きがある広告でどんな違いがあるのか。やってみなければわからないということで、まずは複数枚の画像が切り替わるスライドショー形式の広告を出稿し、実験してみることにしました。
これが、実際に出稿している広告です。
スライドショー広告の特徴
スライドショー広告出稿前に確認しておきたい特長と制限をまとめました。こちらはFacebook公式のヘルプを参考にしています。
- スライドの自動再生は可能ですが、リピート再生はできません。
- 過去にシェアしたスライドショーを含む投稿を、広告として出稿することもできます。
- PC、スマートフォン、タブレットで再生可能で、もしもフィーチャーフォンに表示させたい場合は詳細設定で指定することができます。
- 最後のスライドまで再生されるとリンク先として指定したサイトのURLなどを表示できます。なにも表示させないことも可能です。※キャンペーン(広告の目的)によって異なります。
- リーチ数・クリック数といったレポート指標を他の動画広告同様に確認することができます。
- 音楽はプリセットの中から選べます。独自の音楽を入れることは今はできません。※2016年8月23日のFacebook公式ニュースで、近日中に独自のオーディオトラックにも対応予定と発表されています。
- キャプション(字幕)をSubRip (.srt)ファイル形式で入れることができます。
- 動画広告を配信している場合、通信速度が遅い環境にいるユーザー用の代替えとしてスライドショーを表示させることができます。※こちらも、2016年8月23日のFacebook公式ニュースによると、動画をスライドショーツールにアップロードするだけで、10枚のスクリーンショットが自動で選択され、簡単にスライドショー広告が作成できるようになるようです。
スライドショー広告の出稿前に用意するものと、出稿のポイント
Facebookのスライドショー広告はInstagramにも表示させることができますが、今回はFacebookにのみ表示することを前提に、用意するものとポイントを出稿規定に沿ってご紹介します。
同じサイズの静止画、3~7枚
スライドショーは3~7枚の画像を使用することができます。広告用に用意しても良いですし、過去に投稿した画像やスライドショーを使用することも可能です。ただし、画像サイズが異なると画像の一部が欠けてしまう恐れがあります。画像サイズは統一して、公式サイトで推奨されている1280x720 px、アスペクト比16:9または4:3で作成するのが良いでしょう。
画像のデザインに関する注意としては、画像面積の20%以上をテキストが占めると、配信数が少なくなるか、まったく配信されなくなります。事前に画像に含まれるテキスト量を広告出稿前に確認する方法として、テキストオーバーレイツールを使うと以下のように判定されるため便利です。
ただし、この20%の判定は今のところ判定基準が曖昧な印象です。実験してみたのですが、テキストのカラーを変更しただけで、判定結果が改善されてしまうこともありました。
冒頭に添付した出稿中の広告を見てもらうとわかるように、私が出稿している広告のテキスト量は多めですが、今のところ配信はできています。配信量に関しては、テキスト量が違う画像と結果を比較していないので、はっきり影響を確認できていませんが、かつて20%以上の場合は申請がまったく通らないという時代もあったので、最小限に抑えるのが良いことは確かです。
画像のデザインや枚数を調整するにあたって、スライドショーの再生時間も気になると思うのですが、尺は全体で最大35秒までと決まっており、指定できる各画像の表示時間は1秒~5秒間となっています。つまり、画像枚数を絞っても、1つの画像を6秒以上見せることはできません。公開設定時に再生プレビューが確認できるので、感覚をみつつ調整すると良いと思います。ちなみに私が今出稿している広告は、5枚選択1枚あたり4秒で設定しているため、動画再生時間は20秒です。
90文字以内のテキスト
スライドショー広告も、普段の投稿で画像をシェアするときと同じように、テキストを添えることができます。文字制限は90文字となっていますが、90文字ギリギリだとスマートフォンで見たときに複数行に改行されるので、少し文量が多く感じると思います。
出稿後でもデバイス別のプレビューが確認できるので、気になるところがあれば後から調整できます。後からの修正や、出稿前のチェックが行いやすいところが、Facebook広告の良いところです。
スライドショー広告の出稿手順
キャンペーン(広告の目的)を設定
広告マネージャーから、広告を作り始めましょう。広告を出稿するアカウントのページにある、[+キャンペーンを作成] ボタンを押し、キャンペーン(広告の目的)を決めます。ここで選択するキャンペーン(広告の目的)によって、その後の詳細設定の項目は変わりますので、今回は「ウェブサイトへのアクセスを増やす」を選んだ場合の、スライドショーの設定方法をご紹介します。
スライドショー広告 フォーマットを設定
サイドバーの[広告]内にある[フォーマット]をクリックすると、以下のような画面が表示され、広告の形式を選択することができます。[スライドショー]を選びます。
スライドショーを作成
[メディア]の設定画面で、[スライドショーの作成]をクリックします。
ポップアップが表示され、画像の追加・編集、時間の設定、スライドショーへのトランジション(画像が切り替わるときの効果)を設定します。
広告テキスト、リンク先などを設定
続いて、[ページとリンク]の設定で、使用するFacebookアカウントとリンクするウェブサイト、事前に準備したテキストなどを設定します。設定できたら、表示させるデバイス別にプレビューを確認できます。
スライドショーの設定に関しては以上です。そして、他の広告と同じく、[広告セット]内にある、ターゲット・配置・予算と掲載期間などを設定すれば、出稿準備完了です。
スライドショー広告は、既存のページをランディング先に使うときにオススメ
最後に、スライドショー広告を出稿してみて気づいたことや結果についてまとめます。
スライドショーの一番の利点は、複数の画像を使用することができるので、広告の中でストーリーを作りやすいところだと思いました。
複数の画像を見せたいという場合なら、カルーセル方式 で出稿するのが良いと思いますが、スライドショーは表示する画像の順序が決まっているので、動画と同じくストーリーが作れます。
「ウェブサイトへのアクセス」を広告の目的としている場合、広告からウェブサイトへ流入させたときに重要なのは、広告とギャップを感じさせないことです。流入先として専用のLP(ランディングページ)を用意している場合は、広告とページの雰囲気を調整することが容易ですが、製品サイトにある、既存のページをLPとして出稿してみたいという場合、広告でページの内容や雰囲気といった前提を上手く伝える必要があります。
例えば私の場合、「サービス型のCMS『MovableType.net』なら、お手軽にウェブサイトを常時SSL化できますよ」ということをアピールしたかったのですが、このメッセージをそのまま伝えようとしても、CMSって何? MovableType.net って何? 常時SSLって何? と、伝わりにくいなと考えました。
そこで、多くのWeb担当者にとって課題である「常時SSL」の価値訴求を広告のメッセージの中心にして、スライドショーでストーリーを作り、広告をみた人が流入するページで、常時SSLを簡単に実現出来る製品の詳細について説明することにしました。
スライドショー広告では、流入先のページに書いていない前提を補ったり、ページに流入する前に抱いてほしい雰囲気などを、丁寧に伝えることができます。
この部分を意識して出稿した結果、ウェブサイトの直帰率や回遊率を見る限り、意図した通りの結果が出てきています。
また、広告のクリック数とリーチ数(その広告がタイムラインに表示された回数)に関してですが、今回の出稿では、スライドショー形式にしたことでの大きな変化はありませんでした。どちらかと言えば、静止画像で出稿していたときと同じく、ターゲティングを変える方が結果が大きく変わる印象です。引き続き、ベストな状態を見つけるために微調整が必要そうです。
数字に関してもう1つ追加すると、スライドショーは静止画像広告にはない、「再生回数」という指標があります。そのため、広告の効果を分析するときに、「表示された人(リーチ)」と、「クリックした人」だけでなく、「広告は見たけどクリックはしなかった人」のおおよその数を知ることができます。
この真ん中の数字が見えるのはスライドショーならではのメリットだと感じました。
まとめ
- Facebookのスライドショー広告とは、複数枚の静止画像を自動で切り替えて、動画のように見せるタイプの広告
- 動画広告の第一歩として最適
- 一番の利点は、ストーリーが作れるため、流入先のページに書いていない前提を補ったり、ページに流入する前に抱いてほしい雰囲気などを、丁寧に伝えることができるところ
- スライドショー広告にしたからといって、通常の静止画広告と比べて、大きくリーチや再生回数が変わるわけではない
いかがでしたか?動画広告は気になるけど、なかなか出稿に至らない。SNSへの広告出稿を検討していて情報収集中。という方の参考になれば幸いです。
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