オウンドメディア運営者こそ、オウンドの外でも発信していこう #JSC25

この記事のポイントは…

  • 2025年7月に開催された「Japan SEO Conference 2025」に参加してきました。

  • 学んだのは、自社のカテゴリの業界の人々が集まる場に貢献することで存在感を示していくことの重要性です。

  • SEOの定義を「Search Everywhere Optimization」に拡張し、検索エンジンだけでなくあらゆる場所で想起される存在になることを目指したいです。

サムネイル画像:「オウンドメディア運営者こそ、オウンドの外でも発信していこう」と言う記事タイトルと、対話する男女

こんにちは、Six Apart ブログ編集長のことぶきです。

Google 検索結果上部にAI Overview(AI生成の検索結果サマリー)が表示されるようになってしばらく経ちますし、最近ではAIモード(複数回の検索が必要な複雑な質問を、Google が代行して調べてまとめを表示)の日本語版の導入も始まりました。生成AIのリサーチ機能にネット上を調べてもらう機会も増えています。人々がコンテンツにたどりつくまでのルートに、生成AIが深く入り込んできています。

オウンドメディア運営者の私たちは、AI時代のコンテンツ発信で何を意識したら良いのでしょう。

そんな課題感を持って、先日、Faber Company社が主催する「Japan SEO Conference 2025(以下、JSC25)」に参加してきました。JSC25 は、国内のSEO専門家が集まる大規模カンファレンスです。オンライン申込者数は3,200人を超える、とても注目度の高いイベントでした。

このカンファレンスに参加して学んだのは「AI時代の最新のSEOテクニック」ではなくて、自社のカテゴリの業界の人々が集まる場に貢献することで存在感を示していくことの重要性でした。

エンティティ(存在感)がより重要

JSC25 カンファレンスで印象的だったのが、オープニングトークでの平さんのこの発言です。

平氏はさらに、今後「エンティティ」がより重要になると語ります。エンティティとは、簡単にいうと「存在」という意味で、人物・場所・企業・ブランドなどのひとまとまりの概念を指します。

AIに質問を投げかけた際、特定のブランドがAIに想起され、その関連キーワードによる検索結果を回答として生成するケースが少なくないといいます。つまり、エンティティを構築する=ブランドを認識してもらうこと。そのために広報活動などを強化し、デジタル上のさまざまな場所で言及を増やす取り組みは有効


(出典:Opening Keynote 生成AIの登場によってSEOはどう変わるのか。|SEOとGEOの今とこれから[Japan SEO Conference2025]開催レポート | AI×SEO(Faber Company)

AIに想起されるためにも、エンティティ(存在)を構築していくための広報活動が有効。そう考えると「自分の場所から記事や動画やその他のコンテンツを発信して、誰かにたどり着いてもらうためにがんばる」だけでは、足りませんね。

この JSC25 のような場で専門家として登壇する、同じ課題意識を持って取り組む方々と交流する、業界に関わる1人としての意見をSNSで発信するなど、オウンドの外でも発信し業界に貢献していく。そんな活動の積み重ねが、組織や個人と社会との望ましい関係構築に繋がります。

Google もずっと「Google の評価のためではなく、ユーザーのための発信を」と、言い続けています。自社が貢献したい業界や界隈の方々と良い関係を作っていくことができれば、そこに集まる方々に想起してもらうことにも、検索からのフェアな評価にも、AI想起にも寄与するはずです。

Search "Everywhere" Optimization ー いろんな場所で想起されるために

それって、SEO第一人者の Rand Fishkin さんが、5月末に公開したブログ記事「Seriously, please stop with the new acronyms. It’s still SEO: Search Everywhere Optimization.」に書かれていた、新たなSEOの定義「Search Engine Optimization ではなく Search Everywhere Optimization に拡張していこう」にも繋がります。

Engine と Everywhere の考え方の違いを、意訳してみます。

  • Search Engine Optimization = Google、Bing などの検索エンジンでより高いランキングを得ること
  • Search Everywhere Optimization = 情報を探す人がいるあらゆる場所で見つけてもらえること

検索エンジンのためだけではなくて、求められている場所に情報を届けていくための活動をこれからの「SEO」と考えると、非常に納得感あります。

検索で表示されることも大切です。でも最終的に目指したいのは、誰かが課題に直面した時に「あの人の記事、参考になりそう」とか、「あ、あの会社に相談してみよう」思い出してもらえることではないでしょうか。

SEOの最新事情を知りたいとき、JSC25 に登壇される方々のSNSや所属企業のオウンドメディアを何度も参照してきました。私にとって SEO と言えば、真っ先に彼ら/彼女らを想起するからです。

彼ら/彼女らは自分たちのオウンドメディアで積極的に発信しているだけでなく、さまざまなイベントに登壇したり、メディアに寄稿したり、役立つ情報をコメントと共にシェアしたりすることで、業界に貢献し続けています。その姿から学ぼう。

私たちオウンドメディア運営者も、自分の場所(オウンド)だけでなく、外でも発信し、他社の発信からの学びを共有し、業界全体に貢献していく視点を持って活動していきましょう。それがAIだけでなく「Everywhere」での、見つかりやすさに繋がるはずです。

Six Apart をフォローしませんか?

前の記事へ

2人の編集長が語る「10年続くオウンドメディアの作り方」の秘訣