ウェブ制作会社はSaaSサービスを作ってるの!?

こんにちは、明日の会社の忘年会に向けてゲーム賞品の準備に余念がない、シックス・アパートのです。

さて、企業のウェブサイトやオウンドメディアですが、これってSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)として提供されているケースが増えていますよね? サービス型のCMS(コンテンツ管理システム)で運用されていることが多くなっている、という話もそうなんですが、そもそもウェブサイトを制作会社さんに構築して納入してもらうケースも、実はウェブ制作会社さんはお客さまごとに「特別な」SaaSサービスを提供しているといっても過言ではありません。

こうした実情を踏まえてシックス・アパートが提供を始めたのが、今週の月曜に発表した業務支援サービス「Six Apart UNIBaaS (以下UNIBaaS)」です。

でも、そもそも「サイト制作=SaaS」とは、どういうことなのでしょうか? 順を追って見ていきましょう。

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多くの企業サイトは、レンタルサーバーやクラウド上にホストされています。例えばCMSとしてMovable Type (MT) を使って構築されたサイトは、多くの場合ウェブ制作会社の方がレンタルサーバーにMTをインストールし、その上でデザインなどの作業を経て、その企業にとって独自のデザインやコンテンツを組み込まれた形で納品されます。

企業側の、特に広報やマーケティング部門の方々にとって、この企業サイトを運営する環境は、ウェブブラウザを使って利用する、一般的なSaaSサービスと区別がつかないでしょう。特に制作会社の方で、システムのアップデートなども実施している場合は、SaaSサービスのように定期的にソフトウェアがメンテナンスされているのと同じに見えるでしょう。

インフラ更新と課金の自動化

一方、ウェブ制作会社の視点から、この状況を見てみましょう。納品した「サイト運営システム」をSaaSサービスとしてビジネス化しようと考える場合、次の2点が大きな問題になります。
  • システムのアップデート
  • 利用料の計算と課金

システムのアップデートとは、具体的にはOSやミドルウェアなどの更新作業です。特にセキュリティ脆弱性を突いた侵入事件が増加するなか、OSなどの更新は避けて通れません。しかし、システムレベルでの更新作業はOSやネットワークの専門知識が不可欠です。ウェブサイトのデザインやHTMLなどは得意なウェブ制作会社でも、こうした専門知識を持ったエンジニアを十分に抱えているところは少ないでしょう。

またシステム利用料の計算や課金も、自動化しておかないと、ユーザー企業数が多くなると請求などが煩雑になってしまいます。特に最近では、レンタルサーバーの代わりにAmazonなどの従量制のクラウドサービスを利用するケースが増えています。クラウドサービスの利用頻度に関わらずSaaSサービスを固定料金にするのであれば問題は少ないですが、従量課金する場合には気をつける必要があります。

テスト環境の構築も手間

一方、従来のウェブ制作会社が抱えている手間の一つに、開発環境と本番環境の構築や利用があるのではないでしょうか。開発環境では起きないバグが本番環境で発生すると本当に困りますが、例えば本番環境にいきなりパッチなどのアップデートをかけるのは危険なので、テスト環境を作ろうとしても、本番環境とまったく同じ環境を構築するのは、かなりの手間とノウハウが必要です。

企業向けにサイト構築をしている場合、顧客ごとに微妙に異なる環境・設定であることが多いので、こうした更新作業を実施するためにテスト環境を作るのは、膨大な労力がかかることになります。

クラウド技術で多くの作業を自動化

シックス・アパートが12月17日に発表した「UNIBaaS」は、こうしたウェブ制作会社のSaaSサービスの提供を支援する総合的なサービスになっています。MTを使ったサイト運営SaaSサービスを提供するのに欠かせない、上記の課題を、仮想化などのクラウド関連技術を駆使して、ほぼ自動化しています。さらに顧客管理にはSalesforce.comを利用しており、課金などの情報もシステム化されています。

ウェブ制作会社はUNIBaaSを利用することで、ビジネスモデルを受託型のものから、サービス型へと転換することも可能になります。

詳しい機能などは12月17日のプレスリリースに掲載しております。さらに月に2回、ウェブによるオンラインセミナーを開催しています。ご関心がある方は是非!

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