【安心して写真素材を利用するための7つのポイント】知っているようで意外に知らない画像の著作権について

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ブログやオウンドメディアで情報発信することが日常になっている方のあるあるで、「今日の記事の画像をどうしよう?」があります。

最近は国内外の無料の画像集や商用利用可のストックサイトがあって便利になりましたが、そうは言っても「知らない間に著作権とか肖像権侵害、していないかなあ?」と気にはなりますよね。

そこで、ゲッティ イメージズの「写真を活用した制作に関する著作権セミナー」に参加して、勉強してきました。

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ゲッティ イメージズはこんな会社

米国の企業で、本社はシアトルにあります。画像だけでなく、音楽や動画のストック素材を提供する、デジタルコンテンツカンパニーで、世界185カ国にお客様がいます。

保有画像の枚数は1.6億枚で、これは世界最大級。動画も180万点あり、コンテンツは日々増えているそうです。ゲッティ イメージズは写真そのものを販売しているのではなく、あくまで写真と動画の「使用ライセンスを販売している」とのこと。

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画像提供:ゲッティ イメージズ

写真に関わる主な権利

画像の権利は主にふたつあって、「カメラマン本人の権利(著作権)」と「被写体の権利(リリース)」です。

まず、カメラマンの権利(著作権)ですが、ライティング(光)、レンズの選択、露出やシャッタースピードといったカメラマンの”創造性”がかかわる目に見えない部分も著作権に含まれます。成果物(写真)にだけ発生する権利だと思っていたのですが、意外にしっかり守られているんですね。これは初耳でした。

平成13年に判決が出た、「スイカ事件」という判例があって、あまりにも似すぎている写真(構図、背景、アイテムの並べ方)は著作権違反と認められたことがあります。構図にも権利が認められた事例です。どんな画像か見たい方は、下記リンクでご覧ください。

↓↓↓↓↓

※参考リンク みずみずしいスイカ 事件(東京高判平成13年6月21日)-類似性肯定

被写体の肖像権(リリース)って一体なに?

次に被写体の肖像権(リリース)。リリースとは聞きなれない言葉ですが、リリースにも2種類あって、被写体が人の場合は「モデルリリース」、建物やモノの場合は「プロパティーリリース」と呼ばれます。

で、モデルリリースは「写真の被写体に個人が特定できる人物が含まれる場合、肖像権を持つ被写体に写真の使用を同意してもらう肖像権使用許諾書」を指します。プロパティーリリースは個人・法人が所有・管理、あるいは権利を保有する被写体(建物・敷地や、ペット、アート作品など)が含まれる場合、その被写体の所有者にストック素材としての販売を同意してもらう許諾書」です。

参考PDF 「リリースはありません とはどういう意味ですか?

このふたつの権利をクリアするには、それぞれ方法がありまして、

カメラマンの権利をクリアするには

  • 許諾を得る
  • ライセンスを買う
  • クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの画像を(規約にそって)使う

のどれかをすればOK。

被写体の権利をクリアするには

  • 許諾を得る
  • 免責補償を受ける
  • 自己責任利用(すごく遠くで本人確認出ないと思われる写真)※ややグレー

といった方法があります。

ちなみに免責補償とは、「購入した画像に被写体からの使用許諾がない」、「クレーム等のリスクへの対応方法がわからない」場合に、購入元(たとえばゲッティ イメージズ)が諸権利に対応し、責任を持って問題の解決にあたってくれるサービスです。

ただし、いかなる場合も補償するものではなく、「写真を使用したことに関するクレーム(表現方法は対象外)による損害賠償等が発生した場合は、免責補償する」とのことでした。

写真の入手方法、メリットとリスク

写真を入手する方法はいろいろありまして、大きく次の5つがあります。

  • ネットからダウンロード
  • 自分で撮影
  • カメラマンを雇って撮影
  • 有料画像を購入
  • クライアントからの支給

写真を入手するときに考慮しなくてはならないことがいくつかあります。

  • 著作権はクリアか
  • 被写体の権利はクリアか
  • コストは適正か
  • 写真の質に問題はないか
  • 入手時間はどのくらいか

ネットからダウンロードする場合、「無料ですぐ手に入る」のがメリットではあるものの、「権利関係がクリアでない」リスクをはらんでいます。

クライアント支給の画像であっても、権利関係は確認すべき

自分で撮影する場合は著作権の心配はありません。が、被写体の権利を確保するのは難しく、めんどうな作業になります。当然、プロでない(と仮定して)ので質はそこそこになるのもデメリット。そして撮影場所に出かけたり、機材を準備するといった時間と手間はかかります。

プロに依頼すると、著作権と被写体の権利は一括で処理してくれるので安心。ハイクオリティな写真も期待できます。その反面、コストも時間もかかるのが悩ましい部分。

「クライアント支給なら、タダだし気が楽だ」と思いたいところですが、実は落とし穴がありまして、著作権と肖像権が処理された安全な画像である保証はありません。問題のある画像をもらって、制作物に使った後で、クレームが来る可能性はゼロではないので、クライアント支給の場合も、権利関係は確認したほうが無難です。

有料画像を購入であれば、権利面は完全にクリアですし、ダウンロードなのですぐ使えるのがメリット。コストは掛かりますが、プロ(もしくはセミプロ)の高品質の画像が手に入ります。

どの方法でいくか、メリットとデメリットを天秤にかけてご判断ください。

商業利用の意味と範囲

ところで、画像をダウンロードするとき、「商業利用可」かどうかは気にしますよね?企業のブログやオウンドメディアで使うとなれば、商業利用可のものでないといけません。ちなみに「商業利用」の意味は、”利用者が自分の利益を得る目的、営利目的で利用すること”です。

ゲッティ イメージズはニュース等の報道目的利用以外は「商業利用」と定義しています。ですので、社内プレゼン用の内々向き資料であっても、「厳密には商業利用になる」とのことでした。

この辺りの定義は販売事業者によって変わるとは思いますが、社内利用だから著作権は無視していいや」とは考えないほうが賢明です。

ストックフォトとは

頻繁に使用されるであろうシチュエーションで予め用意された写真素材のことです。ただ、通常、ストックフォト会社の扱う権利は「カメラマンの著作権」のみであるのが一般的。素材の著作権使用のライセンスのみを提供しているだけで、被写体の権利は基本的にノータッチなのだとか。

うーむ、これで大丈夫なのでしょうか。せっかくお金を出して有料画像を買ったのに、被写体からクレームが来ることはあるということですね。そのへんの質問をしたところ、「免責補償付きの画像であれば、ストックフォト会社が表立って対応してくれますが、そうでない場合は購入者の責任で対応するしかない」のだそう。

有償画像だから、何処の誰からも絶対に文句が出ないと約束されているわけではないんですね。考えてみれば当然の話でして、たとえば禁止用途(ポルノ、公序良俗に反するものなど)に使用したら、被写体からクレームがつく可能性が高いことは容易に想像できますね。

利用規約は面倒でも読んでおこう

加えて、表現方法の制限もあって、誹謗中傷的な使い方は認められないことが多いです。たとえば(人に知られたくない)病気の薬の広告にモデルの顔をドーンと使ったら、「そういった使い方はやめてほしい」と言われそうですね。

鼻から上をトリミングして人物特定できなくさせて使用する方法もありますが、ややグレーな対応であり、「完全に問題なし」とは言い切れないそうです。

あと、当然ながらストックフォト会社から購入した画像を転売するとか、その画像を使って類似サービスを始めるのはもちろんライセンス違反に当たります。

利用したいストックフォトサービスがあったら、必ず規約は明示されているはずなので、しっかり読んでおいたほうが後々ラク。一般の方が読んでも規約は理解しきれないでしょうから、社内の法務担当に読んでもらい、事前確認しておくことをオススメします。

ライセンス先に関する制限

最後にライセンスについて触れておきます。基本的にライセンス先以外での使用は認められていません。

たとえば、買った本人(ライセンス先)がクライアントに使わせるのはNGです。でも、ライセンス先である製作会社が、他のクライアントの制作物にも同じ画像を再利用することは、ロイヤリティフリーに限りOK です。

反対に、ライセンス先がクライアントであると、製作会社は他のクライアントの仕事にその画像は使えません。ライセンスを保有するのがクライアントであれば、他の製作会社にも同一画像を使って仕事を依頼できます。

「グループ企業間でなら画像の再利用はできるか?」という質問に対しては、「NGです。グループであっても、別法人の場合は認められません」とのことでした。

建物に関する肖像権

建物に関する肖像権(プロパティーリリース)に関して気になった事があったので、質問してみました。

「街の風景を撮った中にたまたまビルなどが写り込んだ場合でも、肖像権を気にしなけばいけませんか?過剰に反応していたら、写真なんてまったく撮影できなくなってしまうんですが、その辺の線引はどのあたりでしょう?」

これに対する回答は、

「複数の建物が写っていれば、風景として認められることが多いですが、一つだけアップで撮影されていたら、建物のオーナーからひとこと言われるかもしれません。完全にシロかクロかは判断できないことが多く、グレーな世界ではあるんです」
「一つの考え方として、もし自分が被写体だったとして、不愉快な気持ちにならないかどうか。少しでも気分を害すると思うのであれば、そのような使い方はやめておくのがよいかと思います」
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安心して写真を利用するためのチェックリスト

  1. 著作権はクリアになっているか?
  2. 被写体の権利(リリース)はクリアになっているか?
  3. 免責補償サービスは付いているか?(補償限度額も確認)
  4. 利用用途は規約の範囲内か?
  5. ライセンス先が選択できるか?
  6. 利用者数は把握されているか?
  7. コストは見合っているか?

あと、参考書籍も教えていただきました。

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こんな時、どうする?「広告の著作権」実用ハンドブック (ユニ知的所有権ブックス)

広告を軸にした著作権の話が中心ですが、ネットで画像を使うことがある担当者も知っておいて損はない内容だそうです。

「パロディ広告はどこまでOK?」、「製版フィルムの所有者は?」、「ネット広告と著作権の関係は?」、「東京タワーはメインビジュアルに使えるか?」、「広告の企画書に著作権はあるの?」、「キャッチコピーに他社のキャラ名は使える?」、「雑誌のレイアウトを真似ても問題ない?」、「派遣スタッフにつくってもらったポスターの著作権は?」といった内容がカバーされています。


以上、ゲッティ イメージズの「写真を活用した制作に関する著作権セミナー」レポートでした。

ネット上で写真を使うときは、十分に配慮して、用法用量を守って正しくお使いください。私も気をつけます。

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