今すぐ実践できる、会社名刺にちょい足し&ちょい引きアイデア4つ

社会人の必須装備、名刺。みなさまは何種類持っていますか?そして、その名刺にはどんなことが書いてありますか?オウンドメディア編集者の私たちは、取材相手、ライター、カメラマン、またはイベントの懇親会などで名刺片手に自己紹介することも多い職種ですよね。

会社名と肩書きと名前とメールアドレスが書かれている「会社員」としての名刺も重要ですが、もう一歩踏み込んで「自分」をアピールする名刺があっても良いのではないでしょうか。

メディア担当ならば「名刺もメディアである!」と考え、会社名刺をもう一歩活用する方法について、日本名刺協会理事で名刺アドバイザーの高木芳紀さんに教えてもらいました。

takakisan.jpg

自分の代わりに自己紹介してくれるのが名刺

——最初に、高木さんについて教えていただけますか?

僕は自己紹介が下手なので名刺にぜんぶ書いているんです(笑)。人見知りで、自分をアピールするのが上手くない人種なので、名刺に代わりにしゃべってもらいたいな、と思っています。こちらが私の名刺の裏です。

namecard.jpg

本業は株式会社つばめやという老舗の文房具屋の通信販売を担当しています。そのかたわら、「もっと、名刺を活用しよう!」という活動をしています。たとえば、会社の名刺にちょい足しの提案や、もう一枚自分の名刺を作るワークショップを開催しています。

最近は名刺の活動に加えて、本業の文房具業界への恩返しとして、イベントやブログを運営しています。最近、日本の文房具のレベルが高まってきています。これを、世界に発信したいんですよね。東京五輪もありますし、日本のメジャーなお土産になればいいな、と思っています。

——日本名刺協会は、どんな活動をしているのでしょうか?

強引かもしれませんが、名刺も文具(笑)。本業と共にライフワークと位置づけて活動しています。

日本名刺協会は、名刺の本を書いてる著者さん4人が理事となって運営しています。名刺協会と名乗っていますが、何かに登録している協会ではありません。名刺好きが集まって談義しているだけなのですが、もう10年くらい経ちました。協会として存在していることで、「ここに名刺に対して、志を持った人がいるぞ」というアピールにはなっているのではと思います。

会社だけでなく、自分もアピールしよう

——そもそも名刺って、何を書くべきで、何を書かないべきでしょうか?

名刺に「書かないべき」というものはないと思っています。ただ、これを書いてあっても誰も読まないよね、というのはあります。たとえば、会社の名刺の裏に小さな字で「製品スペック」や「海外の拠点一覧」などが小さく詳しく書いてある。こういうのは必要なときに、ネットを見ればわかります。そういう情報で裏面を全部占めているのはもったいないなと思います。

名刺は会社から支給される、会社住所やメールアドレスといった連絡先が書いてあるカードです。ですが、それだけだともったいないと思っています。会社のことだけでなく、自分自身のこともアピールできるといいですよね。ネットで調べればわかることではなく、いわゆる個人情報を出した方が面白くなると思うのです。個人情報と言っても自宅の住所などではなく、たとえば、その人の思っていること、出来ることを知りたいです。「○○について知りたいので、誰か教えてくれませんか」という、問いかける名刺もいいですね。問いかけられると答えたくなるのが人情で、これがきっかけとなって会話につながります。ですので、名刺には自分が得意なことだけでなく、自分が知りたい情報、求めている人について書いてもいいのではないでしょうか。

自分を出す「ちょい足し」&「ちょい引き」アイデア

——会社の名刺に自分らしさを出す良いアイデアありますか?

名刺の部署名や肩書きに「営業部営業一課なんとか係」と書かれても、その情報だけでは何が得意なのかその人の専門分野はわかりません。名刺ワークショップを開催するときには、会社の名刺に「ちょい足し」または「ちょい引き」してみてはどうでしょうかと提案しています。

ちょい足しアイデア その1 第二の肩書きスタンプ

たとえば、「営業」とだけ書かれている名刺だと受け取る方も構えてしまいますが、「お客様係」だったら、やわらかい印象になり、もう少し距離を近づけられるのではないでしょうか。自分に第二の肩書き、いわばキャッチコピーのスタンプを作って捺すのはどうでしょうか?「こういう存在になりたい」といった、自分の目標を表現した肩書きも良いと思います。

たとえば、私の場合、自分の肩書きとして、医療情報担当者を表すMR(Medical Representative)を模して、「文具情報担当者 SR(Stationaly Representative)」というスタンプを作ってみました。

stamps.jpg

他にも100円ショップで買える、メッセージスタンプを捺すのもいいですね。

ちょい足しアイデア その2 メッセージシール、封筒

これも100円ショップで買ったものなのですが、千社札っぽいデザインのメッセージシールを貼るのもいいですね。

stickers.jpg

探してみると、案外いろんなシールがあるものです。お会いできたことへの感謝などを表現できますよね。

oiribukuro.jpg

メッセージシールは、名刺に直接貼るだけで無く、このような大入り袋に貼ったりもします。大入り袋をもらったら、みんなちょっとうれしい気持ちになると思うのです。

ちょい足しアイデア その3 手書きでひとこと

もっと単純に、その場でひとこと書き足すのも良いと思います。たとえば、Twitterのアカウントを書けば、このルートで連絡していただいてもOKですよ、というアピールになりますね。オウンドメディア運営者ならば、メディア名とURLの上に、キャッチコピーを書いても良いと思います。

ちょい引きアイデア 角丸カッター、型抜きパンチ、エンボススタンプ

角を落とすだけでも印象が変わりますよね。4つの角を全部落としてしまうと、よくある外見になってしまうので、一箇所だけ落として「なんで?」と思われるのも、ひとつのきっかけになります。

round_corner.jpg

余白がある名刺の場合は、縁起物の柄で抜くのもいいですね。

punch.jpg

余白がない名刺の場合は、100円ショップで買ってきたエンボスを捺すスタンプもあります。

embos.jpg

まとめ

名刺アドバイザーの高木さんに、名刺活用のアイデアをいろいろ教えていただきました。

イベントの懇親会などでたくさん名刺を受け取った翌日、束を見返しながら「この名刺の方、どなただったっけ?」は、よくあるシチュエーションです。懇親会のトークのきっかけになったり、印象づけて覚えてもらうためのアイデアとしてすぐ実践できそうですね。

なお、会社から支給された名刺をどこまでアレンジしてよいかは、各社のポリシーをご確認の上、お試しください。特にコーポレートロゴやブランドロゴを邪魔しないよう要注意です。また、お渡しした名刺が、スキャンされたり、名刺管理アプリなどに登録されることを考えると、名前や肩書きなどの文字に重ならないよう、気にしてみるとよいかもしれません。

さいごに

この記事企画は7月に開催した勉強会の記事企画作りペアワークで、ライター・編集者の金子さんより出てきたアイデアでした。金子さんにも、企画作り、取材同席など記事企画にご協力をいただきました。ありがとうございました!

Six Apart をフォローしませんか?

次の記事へ

オウンドメディア担当者は、編集のイロハをどう学べばいいのか? 今こそ知って欲しい『編集十訓』

前の記事へ

ペアで互いのメディアの企画を出し合う会を開催しました【第23回オウンドメディア勉強会レポート】