ページに支配されないコンテンツ管理ができる - Movable Type 6で何が変わるの?【第1回 高山編】

こんにちは。マーケティング担当のさわです。

7月10日に発表した Movable Type 6 ですが、「こんな機能が追加されますよ」といった情報は、ニュース記事などで説明させていただきました。中でも、今回の目玉は、やはり Movable Type Data API と Movable Type Chart API と呼ばれる新しいAPIになります。

その Data APIですが、何ができるのか?と言いますと……

Movable Typeで管理するブログや記事などのデータの読み出しや更新などをREST/JSON方式のAPIで利用できます。

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……具体的に何ができるの?

はい……。エンジニアの皆さんには、ある程度「へ〜、MT、API 出すんだ」と思っていただけるかと思うのですが、実際に日々の業務でMTを使ってくださっているユーザーの方々、ウェブサイト構築のプランニングや提案をするディレクターの方々にとっては、「で、ぶっちゃけどういうことができるの?」「MT5のときよりどういいの?」と思われる(とお客さんに聞かれる)方も多いかと思います。

そこで、これからしばらく、MTチームのメンバーに話を聞きながら、APIの話はもちろん、それ以外の改善点なども含め、「MT6で何が変わるの?」を私なりに噛み砕いて伝えていきたいと思います。エンジニアの話は技術的なことが中心になってしまいがちですので、その話を元に、ユーザーの皆さんにどんなメリットがもたらされるのか、についても少しずつ伝えていければと思います。合わせて、エンジニアの思いや、オススメの機能なども聞いていきます!

前置きが大変長くなりましたが、今日は第1回ということで、MTチームのリードエンジニア、高山に話を聞いてみました。

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んー、まず、ダッシュボード、変わったよね?

意外にも、一番最初にもらった答えがこれでした。「ユーザー視点で見て」と聞いたので、目に見える部分から、ということで、そうなったのかもしれませんが。

ダッシュボードで一番大きな変化は、Blog Stats と呼ばれていたウィジェットが、Site Stats に名前を変え、Google Analytics と連携させて、そのグラフを表示できるようになったことです。

ダッシュボードの変更 | MovableType.jp

「これまでの Blog Stats ウィジェットは、Movable Type で管理しているブログ(アクセス権限のあるブログ)の更新状況を確認するためのもので、企業などでたくさんのブログを管理する管理者にとっては意味のあるものでしたが、それぞれのブログを更新する担当者や、個人でブログを運営する人にとっては、あまり有り難みのあるものではなかった……というのが正直なところなんですよね」。

確かに Google Analytics にアクセスしなくても、ページビューの推移が見られるのは助かります。記事を更新している担当者が、頻繁に Google Analytics を見る時間がなかったり、アクセス解析を他の人が担当していたりする場合でも、管理画面にアクセスすると、ページビューのグラフが見られるようになっているので、ブログのアクセス数をシビアに感じることができるようになります。記事を書くモチベーションにもつながりますね。

続いて、話題は目玉の Data API へ……。

いろいろな問題を解決する答えが Data API だった

MTの機能を充実させるにつれ、管理画面の重さがユーザーの皆さんの負担になってきました。「重たい管理画面を使いたくない」、ごもっともです。

「MT6では、それをどのように解決するのか。そこでもう一つ課題になったのが、後方互換性でした。管理画面の根本的な変更は行わず、これまで組み込んでいたプラグインなどに極力影響が出ないよう、プラグイン側での改修も最小限で済むようにする必要がありました。実際に、MT6では、互換性が重視され、管理画面のDOM構造は基本的に5.2互換で作られています」。

今回のMT6では、大きな変化は加えられない、しかし、ユーザーさんには大きな変化を感じてもらいたい、というのを同時に実現したかったわけですね。

「MT6は後方互換性をかなり真剣に考えています。将来的にその互換性をずっと維持し続けられるかどうかはわからないけど……。今回はあえて、互換性をこれまで以上に意識しています。そのうえで Simple, Smart, Speedy を実現するには……。その答えが Data API だったんですよね。今後は、MTの管理画面を使うことはマストではなくなるんです」。

ここですね。一番のキモは。APIを使うことによって、ユーザーの用途に応じて必要な機能だけを搭載し、軽快に操作できる管理アプリケーションが作ることができる(ユーザーの持つ権限に合わせて機能を制限することも可能)、というところです。

その一つの実装例が、MT6に同梱されているスマートフォン用Webアプリケーション Loupe です。

Loupeとは? | MovableType.jp

Loupeには、Google Analytics と連携したアクセス状況の確認機能、コメント、記事などの承認機能、画像などをアップロードできるメディアアップロード機能が搭載されていますが、これ以外の機能を追加することも可能です(※ Loupe はMITライセンスです)。Loupe のコンセプトや構造については、いずれ、設計・デザインを担当した長谷川恭久さんにも話を聞き、ここで紹介できればと思います。

もちろん、Loupe とはまったく別のアプリケーションを作っていただくことも可能です。ユーザー(クライアント)の要求に応じたアプリケーションを開発することができる、ユーザーはそれを使って日々の運用を快適に行える、これを実現するのが Data API です。

また、Data API によって、管理アプリの開発だけでなく、サイトにダイナミックなコンテンツを組み込むことが、これまで以上に容易になります。

さらには、サイト上で、修正したい箇所をクリックして修正……といったことも実現できます。たとえば、既に「かたつむりくんのWWW」の奥脇知宏さんが、Google Chrome の拡張機能を作り、記事と動画を公開されています。

Movable Type 6 の Data API を使ってその場で記事を更新できる拡張機能を作ってみた

そうなんです。こういうこともできるようになるのです。

Data API については、本日公開された、MovableType.jp の記事でもくわしく紹介されています。

Movable Type 6 のData APIについて | MovableType.jp

この記事の中でも「MTML(MTタグ) が分からなくても、HTML や JavaScript といった身近な技術でMTのデータを使ったサイトを構築することができる」といったことが特徴として挙げられていますが、この辺りは、サイトを構築するフロントエンドエンジニアの方々には大きなメリットになるかと思います。また、それが「Movable Type の認証・権限管理の仕組みを利用しているためセキュアである」というところも重要なポイントですね。

MTはコンテンツとテンプレートをマージするエンジンなんだ!

最後に高山が言っていた言葉がこれです。いえ、私が話を聞いたときに最後に言っていた言葉、ではありますが、MT6のプロジェクトが動き始めた一番最初に、高山が言った言葉なのだそうです。

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「将来的に、データを吐き出す先は、HTMLなどのWEBページ以外、PDFでも、なんでもいいと思っています。MTはパブリッシング・プラットフォームなんだから。肝心なのは『コンテンツ』。『ページに支配されないコンテンツ管理』ができるのが、CMSであり、MTなんです」。

サイトを構築する制作会社の方々が、コンテンツをより良く見せるアイデアやデザインを提供する、プラットフォーム(MT)はそれを形にし、支える、サイトを運用する人たちは「コンテンツ」に注力できる。そうなれば理想的です。

「レゴブロック構造なんですよね。MT、プラグインなどのソリューション、デザイン、コンテンツ……それらをレゴブロックみたいに組み合わせて合体させて形にする。逆に、その形にするにはどんなパーツが必要なのか、必要に合わせてそれを組み立てていくイメージ」。

確かに、MTだけではできないこともたくさんあります。そこに数々のプラグイン、ソリューションが選択肢としてあるのもまたMTの魅力ですね。

高山さん、忙しい中のインタビュー対応、ありがとうございました!

第1回の今回は、ちょっとまとまりがない感じになってしまった気がしますが、「こんなことができるようになるんです」というのが、少しでもおわかりいただけましたでしょうか。

第2回は、Data API を担当した開発エンジニアに話を聞いてみたいと思います。お楽しみに!

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