ネイティブアドの利用目的・効果・バナー広告との訪問者行動の違いなど、広告プラットフォームを運営するログリーに語ってもらいました(前編)
ログリー社は、言語解析技術を応用したメディアのレコメンドシステムを開発している企業です。ログリー社のレコメンドシステムといえば Zenback でも使われていたことをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのログリー社が、記事同士のマッチングシステムを応用した、ネイティブアドの配信事業「logly lift | ネイティブ広告サービス」を開始しています。昨年頃から、よく聞くようになったネイティブアドという言葉。
実は、これはオウンドメディアとも相性が良く、むしろオウンドメディアのコンテンツ配信方法の一つとしてもかなり注目技術になっているというので話を、代表取締役の吉永さんにお聞きしたのでご紹介します。
ネイティブアドの基礎は「コンテンツを配信する」ところ
ログリーは、ネイティブアドの配信業者です。「アド」という名前ではありますが、基本は「コンテンツを(複数のメディアに)配信する」システムを提供しています。
配信事業者なので、コンテンツがないとデリバリーできません。企業にとって、コンテンツを拡散させ読んでもらい、リードを集めることがマーケティング手法の一つになっていますが、実践している会社はまだ多くありません。潜在顧客が興味を持ってくれることを意識したコンテンツが増えると、ログリーとしても配信できるコンテンツが増えてうれしいですね。
ネイティブアド利用目的は主に「ブランディング」と「リード獲得」2種類
ログリーのネイティブアドをご利用いただいているお客様も、大きく分けて「製品を知ってもらうためのブランディング」と、より直接的に「製品に対して質の高いリードを獲得する」の2つの目的があります。
ブランディング的な訴求の場合は、潜在顧客にとって興味あるコンテンツ経由で自社製品サイトへ来てもらい、将来的なリード獲得につなげていくというオウンドメディア的なアプローチが必要です。内容的には、より広いターゲットを意識したものになります。
一方、リード獲得用のコンテンツを作るのであればダイレクトに訴求するメッセージのほうが適しています。こちらに貢献するのは、製品志向の強いコンテンツ、業界業務知識を中心とした狭いコンテンツになっています。狭い分リーチは狭いけれど、その代わり濃いリードが取れます。
ネイティブアドの利用を断念するケースと理由は?
ネイティブアドの引き合いは増えていますが、どちらかというと、代理店側の感度が高いです。今は代理店からクライアントに提案するフェーズでしょうか。
現時点では、コンテンツを使ってマーケティングをする理由や必要性がないクライアントさんは見送る傾向ですね。いわゆる、マーケティングのファネルの下にある「刈り取り」は、リスティングやその他でやるというケースです。
ただ、それだけだと枯渇していくので、種まきの施策として潜在顧客を発掘したいクライアントさんがネイティブアドを採用する、というかんじです。
ネイティブアドでどんな効果が?
logly liftの事例として、ライオンさんが昨年10月に始めた新生活情報メディア「Lidea」があります。消費者の役に立つノウハウを提供するメディアです。
参考:ライオンの新生活情報メディアにlogly liftを導入。オウンドメディア訴求においてネイティブ広告による高い新規顧客誘導率を実証|ニュース|ログリー株式会社
ネイティブアドをうまく使っているメディアは、新規率も回遊率(非直帰率)も高い結果が出やすいです。他の流入元と比べてユーザーとの親和性が高く、流入動機を喚起させられているという証拠でしょうね。
また、自然検索流入とおなじくらい平均PV・直帰率の数値が良く、サイト内の他のコンテンツにも広く波及していることが分かり、質の高いユーザーにリーチできると考えられます。
ネイティブアド経由の訪問者と、バナー経由の訪問者での違いは?
ネイティブアド経由のほうが圧倒的に「新規率」が高いです。ネイティブアドは新しい層を呼んでくるのが得意です。さらにコンテンツを消費してくれるので、「滞在時間が長い」のも特徴です。
効果測定は単純な獲得数(購買やユーザー登録)だけではなく、ちゃんとコンテンツを消費しているのか?ブランドサイトに遷移しているのか?滞在時間に問題はないか?をチェックします。
従来はIMPとCTRとCVRくらいでしか見ていなかったです。今は認知やバイラル性。読み物であれば「読了率」。ブランドサイトへの「遷移率」。目的、使い方がケースによってバラバラなので、様々なKPIが計測できる仕組みも管理画面に導入しています。
ネイティブ枠はわかりにくさも目新しさもあります。遷移した先がコンテンツでないランディングページだと直帰率が上がってしまいます。結果的に「踏まない枠」と思われてしまうと、これまでの広告と同じ認識をされてしまいます。
<次回予告>
後編ではコンテンツの作り方、正しいネイティブアドの使い方などについて解説いただきます。
Six Apart をフォローしませんか?