オウンドメディアの編集長に必要な、7つの「○○力」
こんにちは、Six Apart ブログ編集長のことぶき(@kaoritter)です。
過去にメディア編集経験は一切無かったけれど、現在、事業会社でオウンドメディアの編集長をやっていらっしゃる方、いますか?いますよね。わたしもそうです。わたしが運営しているオウンドメディア勉強会(すでに18回開催しています、次回19回は3/17予定)にも、たくさんいらっしゃいます。
編集長という立場にいらっしゃるみなさまの肩書きはマーケ、企画、Webディレクター、広報など様々。ですが、日々、メディア運営の果て無きゴールを見上げながら、企画して書いて公開して計測して改善して、と、運用を回していらっしゃる活動は同じです。
勉強会で話題に出てくる様々な共通点や課題を思い浮かべながら、オウンドメディア編集長にはどんな力が必要なのか、まとめてみました。
まずは全体像をどどん!と。
プランニング力・巻き込み力・Webディレクション力・読者理解力・編集力・引き出す力・編集長力の七つに分類してみました。それぞれ簡単に紹介します。
プランニング力
編集長の一番大事な仕事、何のためにメディアを立ち上げるのかを決める力です。
オウンドメディアだからこそ重要なのは、会社のビジネスゴールの理解。そのゴールに向かうマーケティングのプロセスの中のどこを、オウンドメディアが担いたいのでしょうか?集客の場合もあるし、既存顧客のリテンション獲得、ブランディング目的などもありますね。
そして、最終的なゴール達成度を表すKGIは何か、そこまでの中間指標となるKPIは何かを定義することも重要です。
関連記事:【無料DL】オウンドメディアの目的・対象・価値を俯瞰するためのフレームワーク「オウンドメディア・キャンバス」を公開します - Six Apart ブログ
巻き込み力
オウンドメディアの運用は、一人では完結しません。社内外から協力者を集め、彼らにメディアの目的とゴール、その達成基準を理解してもらう必要があります。
特に編集部分やコンテンツ制作、Webサイト設計と構築には、外部の力を頼ることが多いです。
このスキルマップの全体を見回してみてください。自分や社内にあるスキルに何が足りないのかを考えるときに、参考になる部分があると思います。
Webディレクション力
Webメディアとして運用する以上は、Webのお作法をわかっていなければなりません。サイト作り、露出のためのSEOやSNS活用、日々変わっているコンテンツの読まれ方にも意識を向ける必要があります。
CMSやアクセス解析やCTA(Call to Action)のためなどの様々なツールを駆使したり、ソーシャルの動向や他社メディアやメディア有識者の発信も日々要チェックです。たとえば最近では、noteの有料サロンが話題ですよね。オウンドメディアだとどういう関わり方があり得るでしょうか。
参考記事:オウンドメディアのサイト設計で外せない7つのポイント+9つのチェックリスト #03 | 10社の事例でわかるオウンドメディア運営の「企画」「構築」「成果」ノウハウ | Web担当者Forum
読者理解力
あなたのメディアの読者は誰ですか?
彼らの興味や行動を知り、届く形で情報を伝え、行動を喚起し、その後もつながり続けていきたいですよね。彼らの気持ちになって企画を考えることは大事です。
読者になりきって考えるのはいいけれど、「読者側目線だけ」でもいけません。コンテンツ発信側である以上、読者の知りたいことの一歩先を指し示したいものです。
「誰」の態度変容を促したいのかを考えまくりましょう。
編集力
勉強会でも課題としてあげられることが圧倒的に多い、コンテンツ作りの部分です。どんな企画をどんな風に形にしていくか。ここは一番多くの人手が継続的にかかる部分なので、外注しているところも多いのではないでしょうか。
できあがってきた原稿を、自社の名前とともに発信できるクオリティの原稿に責任をもって仕上げ、GOを出すことも編集長の仕事です。
特に、他者の権利を尊重することは、当たり前すぎますがとっても重要です。文章を引用する場合は出典を明記したり、画像はライセンスの確認、そして必要に応じて先方の許可を取りましょう。
関連記事:「モンローはOK、ヘップバーンはNG」 企業サイトで画像を使うとき注意すべき著作権と肖像権のお話 - Six Apart ブログ
引き出す力
社内の誰がどんなことをやっていて、どんなことに興味があるのかを知っていれば、それも企画の種になります。彼らの製品に対する熱い思いを、読者目線で編集し直しコンテンツ化するなど、自社の良いところを出していくメディアであれば、積極的にやっていきたいところです。
外の方にインタビューするときも同じです。読者の課題に答えてくれそうな人は誰なのか、彼らに取材の許可を頂くためには、そして取材時に気持ちよく語ってもらうためにどうするべきか。編集長であれば、そういうことを考えて実践し、チームのメンバーからの相談にのれる立場でありたいです。
オウンドメディアは、会いたかった人にコンタクトを取るきっかけとしても有用です。「こんなオウンドメディアやってます。取材させてください」と言うと、案外OKいただけるもの。これは、オウンドメディアをやってることの役得の一つですね。
編集「長」力
最後に、編集長としての個人の能力です。メディアターゲットの興味分野の知見。メディアを運営し続ける熱意。業界のトレンドに首を突っ込み、新しい情報を絶え間なく集める好奇心。これらは、メディアを通して必ず読者に伝わっています。その証拠に、編集長が替わると、メディアは変わります。このSix Apart ブログも、私で三代目の編集長です。それぞれの時代ごとに運営目的も編集方針も読者層も異なりました。ビジネスの状況だって変わっていくのですし、それはそれでいいのだと思います。
また、B2Bの場合は、狭い業界の中で編集長個人のソーシャル力で記事が広まっていくことも多いです。個人としてもソーシャルやメディアを使いこなし、発信力を持っておくことはより重要になっていくと思います。
最後にひとつ。すべての人を満足させるメディアはありません。適度なスルー力が重要になるときが、来ます。
まとめ
以上、ことぶきの視点でオウンドメディア編集長に必要なスキルを「7つの○○力」としてまとめてみました。
これらすべてを熟知している完璧超人は、たぶんいません。
誰しも得意な分野があり、不得意な分野は社内外の協力者とともにカバーしながら進めています。このマップにはない、独自の能力を生かしてメディア運営されていらっしゃる方もたくさんいます。
オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングを進めていくために、自分に足りないスキルはどこか、今後どのスキルを伸ばしていこうか。それを考えるときに、この7つの力マップが参考になれば、幸いです。
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