検索意図を知り記事作り&過去記事改善に活かす「ミエルカ」で一部記事のCTRを20%上げた話
こんにちは、Six Apart ブログことぶきです。
コンテンツを作る人は誰しも「この情報が必要な人に、コンテンツを届けたい」と思うもの。そのためには、役に立つ記事を書くことのみならず、情報が必要な人がその記事にたどり着くための動線の整備も必須です。その動線のひとつが、SEO。
「テクニックのみに頼るSEO」については、いろんな問題がありました。とはいえ、何らかの情報にたどり着きたくて検索している人のために、適切なコンテンツへのわかりやすい動線を作る重要性は、今も変わりません。
役立つコンテンツを作ったならば、ユーザーが検索でたどり着いてもらえるよう動線を整備するのもメディア運営側の大事な仕事。というわけで、今回は検索キーワードや検索結果コンテンツからユーザーの検索意図を知り、改善するヒントについてご紹介します。
この度、縁あって、ユーザーの検索意図を見える化して、コンテンツ設計・制作に役立てるツール「ミエルカ」をトライアルさせていただくことになりました。Faber Company社エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター月岡 克博さんに教えていただいた、ユーザーの検索意図を知る&活かす方法を共有します。
<Faber Company社 月岡 克博さんプロフィール>
大学卒業後、SFA導入コンサルとしてキャリアをスタート。その後CRMベンダーで営業に転身し、東日本エリアマネージャーを経験。Faber Company参画は2014年。SEOをはじめWeb集客の営業/コンサルに従事した後、コンテンツマーケティング支援ツール「MIERUCA」を始めとした自社マーケティング全般を担い、ブログ執筆、セミナー講演なども行う。
「キーワード検索はまだ増え続けており、少なくとも年に2兆回以上」
ーーミエルカは、Google検索関連データを分析して流入を改善させていくツールなのですが、そもそも検索流入ってまだ増えるんでしょうか?Google検索以外にも、SNS経由やアプリ内検索などコンテンツへの流入経路が多用化し、相対的にキーワード検索の存在感が減っているような気がします。
検索のボリュームはまだ増え続けています。アメリカの検索関連情報メディア「Search Engine Land」の記事によると、2012-2015年を平均すると1年あたり1兆2000億回も検索されており、翌2016年はさらに伸びて少なくとも2兆回(1秒に63,000回!)も検索されていると推測しています。
また、去年のGoogle I/Oで発表されていた米国での事例によると、米国では既にモバイルからの音声検索が20%もあるというデータもあります。キーワード検索ではなく、「What is 〜?」や「How to 〜?」といった検索が増えているようですね。キーワードの羅列であればある程度知りたいことが明確なわけですが、「●●ってなんだっけ?」みたいな曖昧な意図の検索がきたときにそれに応えるコンテンツがあるのか。ユーザーの検索意図をより意識したサイト、コンテンツ設計が重要になってくるのだと思います。
ーーなるほど。現状、多くのオウンドメディアにとって、検索はサイト流入の要のひとつです。今後も引き続き、重要なのは変わりませんね。
はい、企業のオウンドメディアである以上、想定したターゲットにコンテンツを届けて、何らかの態度変容を起こさなければ価値がないですし。その流入経路としての検索の重要性は変わらないと思っています。あとはせっかく手間をかけて作ったコンテンツなんだから、やっぱりたくさんの人に見てもらいたいじゃないですか(笑)そういう時に、ミエルカが役に立てばと考えています。
Six Apart ブログを例に、ユーザーの検索意図を知ることで「新記事の構成作りを支援」と「過去記事のもったいない部分を見つけ、アップデートすること」について、一緒に考えてみましょうか。
ーー早速よろしくお願いいたします!ミエルカのセットアップは完了しています。やった作業は、Google Analytics、Google サーチコンソールと連携させるだけでした。もちろん、Movable Type クラウド版で動作するこのSix Apartブログでも問題なく動作しているようです。
良かったです。ミエルカとは「インバウンド/コンテンツマーケティング&SEO管理分析ツール」なのですが、まずは「新記事の構成作りを支援」を見ていきましょう。
Google サジェストキーワードから、記事の構成を作る
ーー広報という仕事柄、業務関連キーワードのエゴサーチは頻繁にやっているので、ノウハウをまとめた記事を以前書きました(これだけは覚えておきたい「エゴサーチ」の基本テク)。最新の情報を交えたエゴサーチノウハウ記事を書きたいと思っています。「エゴサーチについて調べたい人の、検索意図を知る」というとこからやっていきたいのですが、何からはじめると良いでしょう。
Google で検索するとき、1つめのキーワードを入れてスペースを押すと、2キーワード目の候補ワードが多数出てきますよね。
この検索候補キーワードを検索ボリュームごとに丸の大きさを変えてマッピングした、ミエルカの [サジェストキーワードネットワーク] 機能で「エゴサーチ」というキーワードを見てみるとこうなります。
ーー特徴的なキーワードがいくつか見えますね。
上部中央の "とは"、左斜め下の "意味" のようにそもそもエゴサーチとは何かを知りたいニーズが見えますね。
また、中央の "Twitter/ツイッター" とそこから矢印で繋がる "やり方" を見るとTwitterでのエゴサーチ方法や、"アプリ" & "Android" のようにアプリ紹介のニーズも見えます。
例えば、これを参考に「Twitter でのエゴサーチ」に特化して書こうとすると、意味を解説し、エゴサーチのやり方を紹介するという構成が思い浮かびますね。
ーー"バレる" も気になりますね。Twitter でエゴサーチされてバレた、ということでしょうか。これも、記事作りのヒントになりそうです。
そうですね(笑)
「ん?」と気になった言葉があったら、やっぱり検索してみるのが一番です。検索結果でどういうページが評価されているのかを確認することで、ユーザーの知りたいことにたどり着くためのヒントに、そして記事の構成作りのヒントになります。
ーーなるほど。検索ユーザーが何を求めているかを、サジェストキーワードから探っていくのは納得です。
過去記事のタイトルを改善して、CTR20%UP
ーー過去記事については、SEO的に「もったいない」状態の記事があればぜひ改善したいと思っています。ですが、どの記事がどうもったいないのか、その基準が曖昧なために施策とその結果の改善も中途半場になっているのが課題です。
より「もったいない度合いの高い記事」を発見するのが近道です。もったいない度合いの高い=良い順位にいるにもかかわらず、検索結果ページからのCTR(クリック率)が少ないものを見つけてみましょう。ミエルカでCTRが低いページをチェックするとこうなりました。
この赤い線は、検索結果1位から10位における平均CTRをミエルカが統計的に算出しているものです。緑の丸は、横軸が検索順位、縦軸がCTR、大きさがクリック数になっています。
そして、赤い線より低いものが、検索順位ごとの平均CTRと見比べてCTRが低いものなので改善対象になります。
ーーそれはもったいないですね。
そうなんです。平均よりCTRが低い記事のひとつ、「【Quality Assuranceというお仕事】 QAとは、“世界で最初の ユーザーになる”ことである」というタイトルの記事を詳しく見てみましょう。
ーーこのリストはなんでしょう。
これは実際に、この記事がインプレッションまたはクリックされた検索クエリの一覧になります。キーワードの黄色いハイライトは、この記事のタイトルに含まれていないキーワードです。
ユーザーが検索してる言葉が、検索結果上のタイトルやディスクリプションに表示されてたほうがクリックしやすいと思いませんか?つまり、これらのハイライトされたキーワードをうまくタイトルやディスクリプションに入れ込むことができれば、CTR向上につなげられる可能性があります。
たとえば、元の記事タイトルに「品質管理」「仕事」と言ったキーワードを追加して、タイトルを「品質管理(QA)とは、“世界で最初のユーザーになる”仕事である」と変更してみるのはどうだろう、と考えるヒントになります。
ーーなるほど、参考になります!実は、このミエルカのアドバイスを元に、既に7記事ほどタイトルを変えてみたのです。
はい。ありがとうございます。
そして、ちゃんと結果出ていました!タイトルを変更した対象記事のみを見ると、クリック数で20%ほど上がっていました。
ーータイトル変えただけでこの効果はすごいです!もったいない記事に気づき、変更案を見つけ、BEFORE/AFTERの数字がわかれば、PDCAを回す役に立ちますね。
今後のミエルカについて
ーー今後は、どの方向へミエルカを強化していきたいと思っていますか?
「コンテンツマーケティング」はある意味で流行だと思ってますが、コンテンツをリッチにすることはサイト運営の根幹であり続けるのは間違いないんです。みんながコンテンツマーケティングと言わなくなった後、どうあるべきかについて考えています。
ミエルカにはGoogle Analyticsの数値を4つのチカラで簡単に分析できるようにしたり、改修インパクトの大きいページをレコメンドしてくれる機能もあります。サイト担当者の調査や分析の時間を大幅に効率化してくれるんですね。そういう部分も強化していきたいです。以前、ユーザーの方から「サイト担当者のライフライン」という声をいただいたことがあります。そこを目指したいですね。
また、サイト担当者も1人、2人で少人数の会社も多いです。なかなか相談できない担当者さんも多いのかなと思ってまして、ミエルカユーザーのネットワークを作り、相談しあえるコミュニティを作っていきたいと思っています。
実際「ミエルカ大学」というコンテンツ作りのトレーニングの場を用意していますが、終了後も質問とか相談とかも多いですし、なによりユーザーさん同士で盛り上がっていて、横の繋がりの重要性を感じます。
ーーコミュニティは大事ですよね。
はい。また、CMSとの連携も実現したいことのひとつです。Movable Type の管理画面から各記事ごとの読了率などが見えたら便利ですよね。
ーーそれは、欲しい人多いと思います。月岡さん、いろいろ教えてくださり、ありがとうございました!
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