過去4年の弊社のエイプリルフールネタを振り返りつつ、効果検証してみた
今日はとんでもない春の嵐ですね。こんにちは、高橋です。
日曜日はインターネットの世界が、欺瞞と皮肉が陽気に溢れるエイプリルフールでした。
過去4年にわたり弊社では、この1日のために何かしらネタを仕込んできたのですが、今年は、
日曜日だし、まあいいか
という感じですっかりおとなしくしていました。
過去を振り返ると、エイプリルフールのためだけに、かなり前もって社内の理解を求めつつ、いろいろ仕込んで、31日は深夜から作業し、その日は丸一日張り付き「ウケなかったらどうしよう」「寒かったらどうしよう」「disられたらどうしよう」「はてブがつなかったどうしよう」などと、心的プレッシャーは並大抵のものではありません。
「エイプリルフールの1日のためだけに、あんなに頑張って何か効果あるんですか?」 という素朴な疑問はどなたもお持ちだと思います。
エイプリルフールはまず、やっている人が「やってて楽しい!」と思えることが重要なのは大前提ですが、シックス・アパートの過去4年間のネタを懐古厨的に振り返り、結局何か効果があったのかどうか、(差支えのない範囲で)検証していこうと思います。
2008年:住職の募集
2008年の4月1日に、住職の求人を出しました。
シックス・アパートのオフィスは「円通寺ガデリウスビル」で、お寺がすぐ側にある事にちなんだネタで、いかにも微笑ましいエイプリルフールのネタだったのですが、なんと少僧都資格を保持される方から実際に(ネタで)応募がありました。
そこで本人の許可を得て「住職の公開面接」を「シックス・アパート オープンハウス」というイベントの中で行うことにしました。このイベントには約30名の方々にお集りいただいたのでした。
これが当日の様子。実際に僧侶の資格を持った某IT企業の社員の方に来ていただきました(顔出しはNG)。
広報ブログにもしっかり記されています。
住職の公開面接とオープンハウスの様子 : 広報ブログ - Six Apart
効果
- このオープンハウスがきっかけで採用につながった(住職の方ではありません)
- 外の方にもシックス・アパートの中を知っていただく良い機会になった
2009年:やる夫がMovable Typeをアップグレードした理由
当時流行していたAA(アスキー・アート)のキャラ「やる夫」をモチーフにして、2ちゃんねるのスレッド風にMT4へのアップグレードを啓蒙しているコンテンツです。
手前味噌ながら、今読んでも結構面白いですねぇ...。
当時は、会社でやる夫の研究をしている所を見られると遊んでると思われる...のを恐れ、カフェでやる夫のコンテンツを見まくってた思い出があります。
お陰さまでこのコンテンツはかなり反響が良かったです。はてなブックマークの片鱗も。
はてなブックマーク - Six Apart - Blog on Buisiness やる夫がMovable Typeをアップグレードした理由
Google 検索で残る片鱗もあります。
やる夫がmovable typeをアップグレードした理由 - Google 検索
効果
- sixapart.jpサイトのPVが1年間の中で最高値に(ちなみに、sixapart.jpは、製品サイトではなく会社のサイトなので普段はPV少なめです)
- MT4が普段よりかなりダウンロードされた
2010年:スーパーホームページテーマ 1.0の配布と、しっくす・アパートの部屋ページ
(しっくす・あぱーとの部屋のサイトを復帰させました。)
2010年のこのネタは、かなり仕込んでいます。過去4年の中でも一番の力作でした。
Movable Type 5にインストールして、1990年代風の懐かしいデザイン・動きを再現、「ホームページ」風のブログをすぐに構築することができるMovable Type 5のテーマ、「スーパーホームページテーマ 1.0」を4月1日限定で配布しました。
同時に、「スーパーホームページテーマ1.0」を適用させて少しカスタマイズをしたデモサイト「しっくす・アパートの部屋」も公開。
これは、MT5から新機能として追加された「テーマ機能」を、エイプリルフールという祭りを通してMTユーザーの皆さまに親しんでいただいという思いからの企画でした。
昔懐かしい文字が左右に動く動作や、マウスカーソルにアイコンがついてくる等の動作はjQueryで実装しているし、XHTMLにも準拠していて、
@dankogai 氏からはプロの犯行と言わしめたのでした。
デモサイトである「しっくす・アパートの部屋」は、コンテンツにも当時ネットで流行ったエッセンスを盛りこみまくっています。(ブラック企業風な採用謳い文句に、「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」ネタ、「ペリーが「開国のご提案」をパワポで作ったらネタを踏襲、〇〇君、どこ行ってもうたんや...ネタパロディ、あとはせんと君おまーじゅキャラ等)
反響もかなりのものでした。
もう「やってやったぜ!感」がすごくありましたねぇ。
はてなブックマークの片鱗
今年のエイプリルフールのお話 : 広報ブログ - Six Apart
効果
- ソーシャルメディアでの評判がよかった
- PVが1年でダントツ1番の数値に、テーマのダウンロード数も想定していた以上にダウンロードされた
2011年:シックス・アパートでは、毛筆でコードを手書きして開発している動画
「シックス・アパートのエンジニアは、毛筆でコードを手書きするという、実にアナログで日本的にプログラム開発をしている」、という冗談を実写化したものです。
この年のエイプリルフールは世間の「自粛ムード」もあり、やるかどうか迷ったのですが、控えめでほんわかできるような感じにしました。
この動画では実にアナログながらも、
- エンジニアが主にPerlでコードを書いてソフトウェアを開発する
- QA(Quality Assurance=品質保証)チームが検証作業
- バグが発見されたら「バグチケット」にしてエンジニアに修正依頼する
- Movable TypeのコードはGitHubというプロジェクトホスティングサービスで管理、公開されているが、最終版をリリースした瞬間、開発に携わるものは大きな達成感を得ることができる
効果
- 好評でした!(あれ)
4年間、シックス・アパートのエイプリルフールにコミットしてきた身として言えることは(まとめ)、
- エイプリルフールでは、誰かを不幸にするかもしれないネタは避ける
- 企業でやるなら「何かを啓蒙」できるような路線にすると筋が通りやすい
- しかし企業色が強くなりすぎると途端につまらなくなる
- 内輪ウケはある程度しょうがないと割り切る、けど、やってる人が絶対面白いと思うものにする
まあ、今年はやらなかったんですけど!
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