Biz Dev(事業開発)の仕事とは、「無から有ではなく有からNEWを創ること」

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こんにちは。作村です。

世の中には、「なんとなく耳にしたことはあるけど、意味についてはよくわかっていない」ということが多々あります。Biz Dev(ビズデブ)という職種もその一つ。“事業開発”と訳されたりもしますけど、「じゃあ、事業開発って具体的になんなの?」という疑問のループに陥りますね。

シックス・アパートブログの編集部から、「Biz Dev(ビズデブ)という職種を、わかりやすく解説してほしい」とリクエストされたので、初めて聞く人にもわかるくらいにシンプルに説明してみます。

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Biz Dev(ビズデブ)って、そもそも何?

Biz Devの仕事ってどういうものか、わかりやすく説明してもらえません?

Charlie

Biz Devとは、Business Deveropmentの略ですね。日本語では事業開発と訳されることが多くって、私の名刺もそうなってます。

ですね。じゃあ、Biz Devの定義は?

Charlie

大きく3階層あって、

  1. 一般社会における定義
  2. 所属組織における定義
  3. 自分自身における定義

で漏斗(じょうご)の様に上から定義が狭まります。一般的な職業はこの3階層で定義されることで、自分が何者であるかを相手に、ある程度の精度で知ってもらうことが出来ます。

一般的な職業を肩書に持つ多くの人々は、この共通認識のお陰で初対面の相手に長い自己紹介や見当違いの期待を受けること無く、お客様との商談や社内ミーティングが出来ます。

なんか、しょっぱなから難しい説明だなー。

Charlie

Biz Devは職業としての歴史が浅く、一般に通用する定義や意味がハッキリ定まってないんですよ。私もシックス・アパートに入社するまで聞いたことありませんでした(笑)。日本語では、事業開発が一番近い言葉なんでしょうけど、ニュアンスの違いが微妙にある気がします。”営業”と”セールス”で受け取り方が少し違うような感じ。で、Biz Devはかなり特殊な職業でして、Biz Devの仕事を教科書に載ってるような解説文のように説明しづらい。なぜなら、教科書通りには進められない部分にこの仕事の本質がありますからです。ちなみにこれは比喩です(笑)。

ということで、会社や上司から明確にBiz Devの役割を説明されるコトは少ないんじゃないですかね。

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シックス・アパートではどうだったの?

Charlie

シックス・アパートで最初に任されたのが、「Movable Typeとクラウドを融合」です。平たく言うと、クラウドの特性を活かしてMovable Typeをより使いやすくするというミッションです。

技術的な仕事のイメージはなんとなく湧くけど、Biz Dev的な仕事って雲をつかむような話かも。

Charlie

たしかに、仕事内容としてはかなり幅広いし曖昧ですね。まさに雲をつかむような仕事です。ところで「雲をつかむ」とは、中国の古典で”地に臥した龍が雲を掴んで天に上る”ことも意味するので、事業を上に持ち上げるBiz Devの仕事らしいといえば、らしいです。

ふむふむ。

Charlie

クラウドという技術、と言うか概念を使って、競合製品との差別化を図るのではなくて、人々の生活様式に大きな影響を与えるだろうクラウドと共に、製品・サービスを成長させていくのが Biz Dev の仕事なんでしょうね。

Charlie

変化する環境と共に生きていくことはもとより、これからは会社同士もしくは会社と消費者で共に製品・サービスを育てる ―― 共創の時代が来ると予想してます。製品の優劣に始まり、機能の差別化を競い合ったり、他社よりより安く――と言う競争の時代は終わるのかも知れません。

実際問題として、模倣に対する障壁がこれだけ低くなると、旧来の製品差別化戦略は、戦略として意味を成さなくなっています。

まだ難しいな・・・。同じくビジネスの上流工程を担う事業戦略部門や、率先して事業の変化を加速させるイノベーション担当部門などとの違いはなんです?

Charlie

そのときの自分が持ってる知識や経験でわからなくても、ちょっと考えたり調べればわかることってありますよね?でも、調べる時間が無かったり、良いアイデアが湧かなかったり、そのちょっとが埋められないことがあります。

私の考える Biz Dev の仕事は、その「ちょっと」を埋めることです。世の中を変えるような製品を生み出したり、既存ビジネスをひっくり返すような、大仰なことはあんまり考えていません。

あ、Biz Devの日本語訳は、”事業開発”ではなく、”事業再開発”がふさわしい気がしてきました。自分の中で。

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具体的な例で説明してほしい

何か具体例ってあります?

Charlie

例えば自社のWEBサイトに、あるCMSソフトウェアを導入したい会社があるとします。

ただし、その会社には厳格に運用されている情報セキュリティポリシーがあり、WEBサイトを公開してるWEBサーバーには、その会社が認めたソフトウェアしかインストールできないという規定があり、更には、そのCMSソフトウェアはインストールを認められてないとします。

「そのCMSを使いたいけど、使えない」というジレンマが発生するわけだ。

Charlie

企業のWEBサイトへの不正アクセスが増え続けている昨今、このジレンマが多くの企業内で発生していると想像できますね。ここに、事業を再開発するチャンスが生まれています。

Charlie

そのジレンマを解消するのが、Biz Devであり、弊社製品のMovable Typeクラウド版Movable Type Advancedで利用できる「サーバー配信機能」です。

この機能を使うと、Movable Typeで生成したファイルを任意のWEBサーバーに転送することができるので、“公開サーバにMovable Typeをインストールせずに、Movable Typeを使うこと”ができます。あらかじめファイルを生成しておく静的CMSであるMovable Typeの特性を、社会情勢に適した形で機能化したんですね。

その考え方と、加えた機能が、さっき言ってた「ちょっと」ってことですな。

Charlie

このへんについては、不正アクセスの実態を露わにしてしまうデモや安全にCMSを利用する方法を紹介するセミナーを開催するので、ご興味のある方はぜひ(笑)。

しれっと宣伝しましたね(笑)。逆に、Biz Devとしてはこだわらなくてもよいことは?

Charlie

私見ですけど、新規性や革新性への強すぎるこだわりは危険かも。既存製品・サービスの組み合わせで、新しいビジネスを作り出すことを考えるべきかな、と。冷蔵庫の中の「ありもの」と近所のスーパーで「手に入るもの」の組み合わせで、料理するような感覚です。

新規性や革新性はその成り行きで生まれてくるものと思います。新しくなくてもいい。イノベーションがなくてもいい。『無から有ではなく、有からNEWを生み出す仕事』それがBiz Devです。

話しているうちに、確信しました。Biz Devは事業開発ではなく、事業再開発です。

Biz Devに必要な能力・スキルとは?

徐々にわかってきましたけど、Biz Devってどんなスキルや能力を求められるんですかね?

Charlie

周囲を見渡してスキマを見つける力と、そのスキマをどこかから持ってきた何かで埋める力。その何かは社外リソースでも社内リソースでもかまいません。

Charlie

その力の源は―― 演繹法によって一見、関係性の無さそうなものを関連付ける発想力(洞察力)と、状況・情勢判断力と、精神力じゃないでしょうか。

企画やアイデアを単発で終わらせずに、二の矢、三の矢を打ち続けられる体力。同じアイデアを別に持っていけるしぶとさ。否定やダメ出しにめげずに、それを糧に自己改良して提案に結びつける力...な気がします。

ほうほう。頭脳明晰であるだけでなく、メンタルタフネスも求められますな。

Charlie

昨今の企業の抱える課題は、1つの技術であったり、1つの製品であったり、1社のソリューションで解決できる事は多くないんです。他社のサービスやソリューションを発見して、自社と一緒に育てていく力が求められます。

そんなスキルを持っている有名人って、思い当たりますか?

Charlie

いまならサッカー日本代表のザッケローニ監督ですね。ザッケローニに限った話ではないですが、サッカー日本代表監督はJリーグや海外のクラブに所属する膨大な数の選手たちの中から、視察を重ねて代表選手20数人を選出します。

選んだ選手達を組み合わせて、長い期間を掛けて1つの独自のチームに仕上げてきます。異なる要素を組み合わせて、新しい価値を生み出してますね。

スポーツチームの監督と Biz Dev は通ずる部分がある、と・・・。ちなみに、 Biz Dev をやっててよかったことは?

Charlie

ドラマや小説で描かれる物語の理解度が上がりますね。例えは推理小説で、犯人のトリックを暴く探偵主人公の思考回路は、普遍的な状況の上に散りばめられた断片的な情報を拾い上げながら、真実の絵を描いて行く作業です。Biz Devの仕事と似ています。

そーゆーものなんだ。それは新しい発見だ。

Charlie

そう言えば、名探偵には必ず助手的な相棒がいるように、Biz Devにも相棒は必要です。ダメ出しする人、映し鏡的な人。思い込み、先入観をなくす相棒(相談者)がいるのが理想。

シャーロック・ホームズでのワトソン。ジョジョ1部で言うところのスピードワゴン。マンガ『美味しんぼ』での、栗田ゆう子、的な?

Charlie

相棒は、ガンダムで言うところのファンネルです。オールレンジで事象を捉える必要があります。自分では見えない角度は相棒の視点で捕捉します。自分だけで思考を完結させると、どうしても死角を生みますから。

相棒はガンダムにおけるファンネル・・・と(笑)。最後に。Biz Devとして結果を出すにはどうしたらよい?

Charlie

うーん、理屈に掛けた時間と得られる結果は、往々にして釣合わないですからねえ。でも、理屈は磨き続けることができます。望み望まれる結果を夢見ながら、寝ても覚めても考え続けるしか無いのではないでしょうか。屁理屈にならない程度にね。それと、間違っても、結果を磨いていはいけない(笑)。

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