コンテンツ制作のアプローチは2つあります ~"さくらのナレッジ"流オウンドメディア運営術 ~前編~

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自社でメディアを運営する企業が最近増えているとはいうものの、本格的に運営している企業はまださほどありません。

「オウンドメディアを運営したいけど、どうやって社内のコンセンサスを取ればいいかわからない」
「予算やリソースがどれくらい必要なのか、検討がつかない」

と悩む方のほうが、よっぽど多いのではないでしょうか。


そこで、シックス・アパートブログ編集部が、オウンドメディア担当者を取材して、現場の実態をナレッジとしてまとめていきます。

今回は、さくらインターネット株式会社の公式メディア、「さくらのナレッジ」の鈴木健介編集長にお話しを伺いました。


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さくらのナレッジの立ち上げの経緯は?

2012年の下半期に、「コンテンツマーケティングをやるべきではないか」という声が上層部からあったのがキッカケです。それまでは広報宣伝活動として、予算をかけて出稿したり、タイアップ記事を書いてもらったりしていました。そういったアプローチ以外に、企業が主体となって自由に情報発信できる場がほしいと思っていました。

さくらのナレッジ立ち上げ前は、コーポレートサイトのWeb担当者でした。オウンドメディアを立ち上げようというムードになってきたとき、ちょうどサイトリニューアルが一段落つきまして、私にお鉢が回ってきたんです(笑)。

現場からも、「情報発信はしたいけど、公式なコーポレートサイトはハードルが高くて書きにくい。かといって、広報ブログとして広報だけが書くのもちょっと物足りない。何かいい方法はないか」と模索していた時期でもあったので、ちょうどよいタイミングでした。


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立ち上げ前はどんな様子でした?苦労されたことは?

国内外のオウンドメディアをかなり研究しました。参考にしたのは、Six Apartブログ、海外の大学が運営するオウンドメディア、Good 、ロフトワークのOpenCUなどです。シックス・アパートのオウンドメディアのセミナーにも参加しましたよ(笑)。


2013年4月1日に立ち上げることに決まったのですが、私がプロジェクト担当になってからローンチまでの実制作期間が1ヶ月ほどしかなかったのが、キツかったですね。サイト名とドメインは社内でいろんなアイデアが出て、なかなかまとめきれませんでした。

ある日、私が家で入浴してるときに、ふと、「ナレッジというワードがちょうどハマるんじゃないか・・・?さくら、ナレッジ、さくらのナレッジ・・・?」と思いつき、企画書にそれを書いたら通りました(笑)。「さくナレ」と略しやすいのもよかったです。


ローンチしたての頃の様子は?運営方針は?

最初の1年は、ほぼ社内で記事を書きました。一部、外部の方にも書いてもらいましたが、まずは社内でコンテンツを作ろうと決めました。

All About(オールアバウト)にいた頃の経験から、メディアの公開時は最低でも8本以上の記事が必要で、更新頻度も最低でも月2-3本以上は必須と考えていました。そこで、7人の社員に声をかけて記事を書いてもらい、自分も書いて8本用意しました。

ざっくりなノルマとして、「半年でひとり2本くらい書いてください」と声かけをして、とりあえず月5,000PVを目指しました。ちなみに、5,000PVの根拠は、これまでタイアップ記事を出稿して得ていたPV数と同等以上の結果が欲しかったからなのですが、意外とそのノルマは早々にクリアできました。開始して1年経った今は、月間PVが10万を越えました。


コンテンツ制作では、どんな工夫を?

ネタさがしの方法は主に2つあります。

[1] 先にテーマを指定する

社会的に流行してそうなキーワードにアタリをつけ、それについて書いてもらえそうな人を探すパターンです。社内だと研究所の所長、開発部や運用部のマネージャーに相談し、内容や担当にアイデアもらって、業務としてアサインします。その後、2~3人でのミニ会議をセッティングして方向性を決めていきます。今春からは社外筆者の募集も開始したので、さくナレの「筆者募集ページ」に「歓迎テーマ」を掲載しています。


[2] 先に人を指定する


当社には個性的でおもしろい社員がたくさんいるので、「何か面白いことを書いてくれそう」な人に「なんか書いて!」とお願いしてみるパターンです。たとえば、社内に”パソコンを使って面白いことをするのがモットー”のパソコン部があって、主に商品企画の人間らがメンバーです。この部が3Dプリンターを買って、部品を自作しているんです。こういう人達からは、面白い話が聞けます。
※参考記事 「3Dプリンタで運用ハックしてみた

他にも、月に1度、お昼ごはんを食べながらライトニングトークをする「TechLunch」という社内イベントがあります。そこに出かけて行って、スカウトすることもあります。その人の日常業務や、今期のミッションなどをヒアリングし、コンテンツにできそうなアイデアをさぐります。編集部側で、いくつか仮のタイトル案などを考えて、構成・スケジュールを相談しながら作ることが多いです。


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編集会議や企画会議はしていますか?

ひとり編集部なので、定例的な編集会議はありません。社外のライターさんもいらっしゃいますし、物理的に集まるのはちょっと厳しい。出席できる人と、できない人の間で情報差が生じるのも好ましくないです。

そこで、メールや口頭(雑談含む)で挙がってきたアイデアを私で集約し、今後のラインアップをエクセル表にまとめて共有しています。各筆者には個別に時間をとってもらって、ミニ編集会議を実施しています。記事ごとのアクセス数のフィードバックをしたり、今後の執筆方針を打合せしています。

アクセスレポートは、社内ブログで月次報告しています。コメント欄から質問を受けたり、記事案を提案してもらうこともあります。

著者には負担をかけないことを心がけていますね。私がフロアをうろうろして、直に話しかけます。そのときも、「折り入って相談があるんですが・・・」と畏まった雰囲気にするのではなく、仕事の合間のリラックスしているときにさらっと話しかけるように工夫しています。


気をつけていることは?(ライターのモチベーションUPや管理等)

「見られている・読まれている」という意識がモチベーションにつながると思うので、記事が公開されたら社内メーリングリストで周知します。それと、アクセス数のフィードバックもするようにしています。今後は、Six Apart ブログのように表彰の仕組みなどをつくりたいです。

※参考記事 「2013年第1四半期の社長賞が(ようやく)授与されました

回遊を高める工夫は?

たくさんの方に読んで欲しいのはやまやまですが、単純なPV数を追うことよりも、サイト訪問者の満足度を上げることに注力しています。関連記事に回遊していただいた方が、訪問者にとって有益なのであれば、適宜リンクを設置するというかんじです。

最近の施策としては「ページ送り」を試験的に導入しまして、読みやすくなって好評を得ていると思います。数字的にもサービスサイトへの誘導数が向上するなど、良い結果がでています。

個人的には、記事には左脳的な読み方と、右脳的な読み方があると思っていて、読者の方にストレス無く読んでいただけるよう、言語情報と非言語情報(図版等)のバランスを記事毎に意識しています。


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※画像とテキストをバランスよく配置し、飽きさせない工夫をしているそうです。

>>その2へ続く


お話を伺った方


さくらインターネット株式会社
さくらのナレッジ編集長 鈴木健介さん
公式ツイッター
公式FaceBookページ

参考リンク

  • 今、オウンドメディアが必要とされる3つの背景
  • 「継続できる」オウンドメディアを運営するための14のステップ
  • ブログメディア運営のための55の鉄則
  • コンテンツマーケティング実践の7つのステップ
  • 人に読まれて育てる企業オウンドメディアのはじめ方~Six Apart ブログ運営7ヶ月を振り返って~
  • オウンドメディア「Six Apartブログ」の運営の実態を、INBOUND MKTG 2013でお話しました

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