日々運営しているからこそ話せる、担当者同士のライトニングトーク 【第2回オウンドメディア勉強会レポート】(前編)

シックス・アパートの中山です。

社外のオウンドメディア担当者と互いに学べる場所がほしいなあ」というヒトコトがキッカケで始まった、シックス・アパートブログ編集部主催の「オウンドメディア勉強会」、第2回目のレポートをします。

参加してくださったのは、サムライト株式会社の柴田さん、さくらインターネット株式会社の鈴木さん、オウンドメディアを企画中の鈴木さんのお知り合いさん(匿名希望)です。

今回は、自社で日常的にやっている運営上のコツやノウハウを互いにシェアしあおうということで、ライトニングトーク(以下、LT)とディスカッションをしました。今回は、シックス・アパートからのLTをお届けします。


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参考リンク

「あの会社は、どうやって自社メディアを運営しているのか?」 【第1回オウンドメディア勉強会レポート】

<参加企業>

  • somewrite 柴田さん
  • さくらインターネット 鈴木さん
  • シックス・アパート 中山、ことぶき
  • somewrite(サムライト)社は、2014年2月にローンチしたばかりのオウンドメディア・企業ブログのキュレーションサイト。運営開始から半年も経たずして、大手企業やスタートアップなどが運営する"質の高い自社メディア”から多くのコンテンツが集まっています。

    自社メディアを運営しつつ、メディアコンセプトの設計、オウンドメディアの立ち上げ、記事コンテンツの作成や編集、SEOやソーシャルメディアを含めたコンサルティングを提供しています。以前、代表の柴田さんには取材させていただきました

    ひと通り各社のメディア紹介が終わったら、さっそくLTに移ります。

    「まだ(ブログに)書いたことがない社員を上手に巻き込んで参加させるコツ」(シックス・アパート)

    会社としてメディアを運営するとなると、なるべく多くの社員に参加してもらい、バラエティ豊かにしたいもの。しかし、なんらかのアクションを起こさないと、書き手は増えません。

    シックス・アパートは40名弱のメンバーがいますが、実際に書くのは15名ほど(延べ人数)で、コンスタントな書き手は6人くらいでして、内心「もっとたくさんの社員に参加してほしいなあ」と思っています。

    で、私なりに最近うまくいきつつある方法をシェアしました。まとめると3点です。

    1. 依頼せずに質問する

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    「○○について、記事を書いてください」ってお願いして、うまくいくことはごく稀。正面切ってお願いすると、された方は気持ち的に”重い”です。「えっ、書かなきゃいけないの?私が?えっ、どうしても?」って腰が引けてしまうまうものです。

    そこで、会話をしながら質問を投げて、ネタを引き出すよう心がけてます。質問のキーワードは、「もしも」、「なぜ」、「そもそも」の3つ。

  • 「もしも、お客さんにこう言われたらどうする?」
  • 「もしも、自分の親に仕事内容を説明するとして、どう説明する?」
  • 「なぜ、この新商品をリリースしたの?」
  • 「なぜ、△△ではなく、○○をオススメするの?お客さんにどんなメリットがあるの?」
  • 「そもそも、世間の人は□□□を誤解しているかもしれないけど、***さんならどう説得する?」
  • といった具合。

    コツは、“意図的に会社の立場から身を引いて”質問すること。このような訊き方をすると、担当者は「それはこうだよ、なぜなら…」とか「いや、そうじゃなくってさ…」と答えてくれます。フムフムとひと通り話を聞いて、おもむろに「今の話、すごくいいですね。ぜひ記事にしませんか?」と提案すると、うまく行きやすい。ネタの種さえ見つけられれば、記事は半分できたも同然です。

    2. 待たずに歩み寄る

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    ネタは待っていてもやって来ません。ネタは足で稼ぎます。ここでいう歩み寄りとは、文字通り近づいて話しかけるのです。「あの件については、○○さんが詳しい」、「△△さん、いつもこの件になると雄弁に語る(or ボヤく)よな」といった視点でアプローチ方法を考えます。

    ネタ探しを編集部以外の社員に任せっきりにすると、なかなかネタは集まりにくい。「それ、いいね」「これなら、話せる(書ける)」といった記事のタネとなる視点や気づきを探すのは、編集部の役割です。やはり、最初の一歩は編集部が起こすべき。

    3. 分担する

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    ネタが見つかり、めでたく誰かに記事を依頼できたとして、それでも「ちゃんと書けるかな」と不安がる人はいます。会社の看板で書く以上、個人ブログのように気軽にはいかないし、炎上(する確率はすごく低くても)させて会社に迷惑をかけたくないのは人情として理解できます。

    そこで、編集部として「共同で作業しましょう」と提案すると、安心して書いてもらえます。「答えやすいように質問リストを用意する」とか、「箇条書きでも、殴り書きレベルでいいからgoogle docsに書いてみて」とか、「てにをは、文法、ファクトチェックは後でまとめてやるから、まずは頭の中にあるものを吐き出してもらえない?」といったリクエストをします。とにかく、とっかかりやすい雰囲気を作ります。

    あと、”気の利いた導入文章”や、”オツな締めくくりの文章”は、考え始めると泥沼なので、「前後の文章は編集部に任せといてよ」と伝えることもあります。

    言いたいことはあるけど、書くのは苦手(or 忙しすぎて書くヒマがない)な社員に対しては、インタビューや口述でネタをまとめることもあります。書いてくれるのが理想ですが、どんな形であれ、参加してくれることに感謝します。

    おもしろいもので、さんざん頼んでも書いてくれなかった社員が、インタビューをするとエンドレスに話してくれることがよくあります。誰でも気軽に参加できるよう、アウトプットの方法を複数用意しています。

    質疑応答

    LT後、いくつか質問を受けました。

    Q 「歩み寄るときや質問するとき、どうやってスカウトしてるの?」

    メールで声をかけることはしない。Face to Face で意思疎通することが大事。声をかけられた側だって、こちらに質問したり、意見したいこともあるだろうから。タイミングは、相手の仕事の合間を見計らったり、コーヒーブレイクしているときが狙い目(笑)。気楽な場で声掛けするにしている。

    Q 「持ち回り制にはしていないの?」

    義務化はしたくない。義務になった途端、面白いコンテンツではなくなってしまう。書き手のモチベーションを削ぐことはしない。ただ、「なんとなく最近あの人(部署)は書いてくれていないなー」という思いはあるので、特定の人に負荷が集中しないよう、バランスは気を使っている。

    Q 「役職が上の人に書かせるコツや方法はある?」

    ない(笑)。なかなか難しく、特効薬はない。書く、書かないは、役職以上にその人のキャラにも左右されるので、無理強いはしない。うまいコツがあったら、逆にお聞きしたい。

    次回は、さくらインターネットさんと、サムライトさんのLTをお届けします。

    オウンドメディアを検討中の方、始めてはみたものの試行錯誤されている方、他社での実践や方法論にご興味のある方は、お気軽に「オウンドメディア勉強会紹介ページ」からご連絡ください。

    後編に続く。


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