勉強会を半年運営して気づいた「強烈なリーダーシップで引っ張るのではなく、“場を創って提供する”リーダーシップもある」って気付かされた話
オウンドメディア勉強会を今年の5月から始め、月イチで開催してきました。12月に7回目をおこないまして、とりあえず年内の開催はこれでおしまいです。
勉強会発足前は不安もありましたが、半年以上続けてきて、ようやく会の運営のコツが掴めてきました。
勉強会の運営でお困りの方、運営しようか迷っている方のお役に立てられれば幸いです。
Photo Credit: Dorh1994 via Compfight cc自分が学びたいテーマで開催する
2014年1月から、シックス・アパートブログをことぶきと運営しています。社のメディア運営となると、記事の企画、執筆、書き手の確保とスケジュール管理、ソーシャルツールの運営、アクセスの解析とそれを元にしたPDCAサイクル・・・などなど、やることが山積み。でも、他の仕事との兼務だったので、時間に限りがありました。
さらに、「オウンドメディアはこうやればゼッタイうまくいく」的なマニュアルや公式は存在しないので、あらゆることが手探り。
「私とことぶきの経験とノウハウだけで続けていくのは限界がある」と思い、だったら外部の声を聞きに行けばいいのだと考えました。つまり、企画のキッカケは、「自分が困っていたから」です。
そこで、以前から「このメディアはすごいぞ」と思っていた、さくらインターネットの「さくらのナレッジ」や、「サムライト」へ取材を申し込んだというわけです。
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取材中に、「オウンドメディア担当者同士のオフ会とか勉強会があれば、行ってみたいと思います?」、「ぜひ行きたいです。いいアイデアですね」って話で盛り上がったので、「こりゃ、やるっきゃねえぞ」と確信し、主催者になる決心が固まりました。
「人がたくさん集まるか?」ではなく、「集まった人に満足いただけるか?」に心を砕く
ただ、やっぱり不安はありました。まずは人が集まるかどうかの不安。開催したわ、誰も来ないわでは悲しいですからね。まあ、会を大きくすることが目的ではなく、志を同じくする者が集まって学べればOKと割り切りました。まずは仕事でつながってる方だけに内々に案内し、ひっそり4~5人(3社)だけでスタートしました。
ただ、面白いもので、勉強会に来てくださった方々が、「知人を連れてきてもいい?」とか「取引先にオウンドメディア勉強会のこと話したら、来たいって言ってるんだけど、いいかしら?」と広めていってくださったのです。
特に大掛かりな告知をすることなく、口コミで40名ほどのメンバーが集まりました。メールで連絡を取り合うことが厳しくなってきたので、現在はfacebookのグループで開催の案内を出したり、出欠管理をしています。
会社の業務の一環で始めるとなると、いかに集客して会を大きくするかに気を取られてしまいがちです。でも、大事なのは、
- 「そこに集まる方々にとって、学びとなる会はどんなものか?」
- 「どんなアジェンダについて、どんな切り口で話し合えば全員の満足度が高まるのか?」
を考えることがキモだと思います。
それができれば、人は自然と集まってくるのではないでしょうか?
アジェンダは用意しても、アジェンダに振り回されない
もう一つの不安は、会を盛り上げて、学びのある場を提供し続けられるかどうか、でした。
参加してくれた人に、「(カンタンすぎて or 難しすぎて)勉強にならなかったなー」と思われたくなかったし、「すげー有益だったから、また来たい」と感じてほしかった。集う人全員が、新しい気付きや学びをギブアンドテイクできる場を運営し続けられるかどうか、は懸念だったんです。
私は、場を「ウェ~~イ」と盛り上げる幹事タイプの性格ではないです。飲み会のテーブルの中心で参加者同士をつなげる気の利いた会話のパスを振ったり、自分の持ちトークで場を沸かせたりするのが苦手。むしろ、テーブルの隅で空いたグラスを片付けたり、人の話をじっと聞いて相槌を打つような、飲み会では目立たないキャラ。
そんな性格の自分が勉強会を主催したら、「後々辛くなるかも」とはちょっぴり考えましたね。
その反動で、「いろんな人からアウトプットしてもらえる仕組みを創ったらどうかな?」と考えて、ライトニングトークとディスカッション枠を設けて話し合うネタを広げてみたりもしました。参加者のノウハウが共有されて、とても有益だったんですが、あるとき参加者の一人が、
いつも、ライトニングトークの準備をしたり、ネタを提供してくれてありがとう。でも、ここまでしてくれなくってもよいんです。単純に自分(自社)の悩みを聞いてもらって、意見してくれるだけでも思考が整理されるし、気付きがありますよ。寄り道OKな気楽な話し合いだって充分学びになります。
と言ってくださったんですね。
「そうか、肩肘を張らずに運営していいんだ」って目からウロコが落ちました。
もちろん、勉強会である以上、一つのテーマに沿って話し合うべきですし、道標となるアジェンダは必要。ただ、アジェンダで決めた話しかしないと決めつけるのではなく、そのときの参加者の興味関心に沿って臨機応変に脱線してもいいし、むしろそのほうが盛り上がることもあるということ。
主役はアジェンダではなく、参加者です。
ある参加者から言われてうれしかったこと
勉強会後に有志で飲みに行ったとき、ある方から言われてうれしかった言葉があります。
オウンドメディア担当を命じられたり、立ち上げを任されたものの、どうしていいか悩んでいる人は大勢います。積極的に学びたい、社外の人と交流したいって願望はあっても、ノウハウや情報交換する場がなくて困っています。そういう人達をつなぐハブとなるために、オウンドメディア勉強会は今後も続けてください。とてもよい活動だと思いますよ。
さらには、
人が集まりたくなる学びの多い場を創り、維持することはカンタンではないです。強烈なリーダーシップで引っ張るだけが勉強会主催者の役割なのではなく、“場を創る&提供する”という形のリーダーシップもありますよ。
とおっしゃっていただけました。これまで勉強会を続けてきて、一番うれしい言葉でした。
勉強会なんて、その気になれば来週からでもできる
勉強会を主催して一番良かったことはと言いますと、月並みな言い方ですが、「主催者がもっとも学べる」です。好きなテーマやアジェンダを設定できますし、開催日時も思いのまま(笑)。※もちろん、メンバーにとって興味あるテーマを選びますし、スケジュール調整はしますよ(汗)
勉強会を発足すると思うと、つい身構えてしまうものです。もっと気楽に考えればいいと思います。
困ったことがあれば、
- 「○○○○についてもっと知りたいので、いっしょに話しませんか?」
- 「□□□□についてアイデアを持ち寄ったり、ノウハウを披露しあいましょうよ」
- 「△△△△の考えが煮詰まっているので、ディスカッションしませんか?」
ってライトなスタンスで始めてみるのもひとつの方法じゃないでしょうか。
主催者はべつにオピニオンリーダーである必要もなければ、業界内の有識者でなくても務まります。何もかも知っているなら、勉強会をする必要ないじゃんってことです(笑)。知らないことがあるから、勉強するんです。
そうそう、お菓子があると和みますよ。シックス・アパートのオウンドメディア勉強会は、参加社がひと品づつお菓子を持ち寄るのが習わしです(笑)。
オウンドメディアにかぎらず、始めやすく辞めにくいのがメディア運営。これからやろうと検討中の方、始めてはみたもののKPIが定まらない方、他社での実践や方法論を知りたい方、ご興味ある方は、お気軽にこちらからお問い合わせください。
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