【第3回オウンドメディア勉強会レポート】「やくもの」とSNSを活用した「オウンドメディアの告知経路の整備」について語っていただきました

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

シックス・アパートの中山です。

シックス・アパートブログ編集部が主催するオウンドメディア勉強会、第3回目を開催しましたのでレポートします。ありがたいことに、毎回新しい参加者お越しいただいており、常に新しい発見と学びがあります。

今回は、皆勤賞のさくらインターネットさん、2回目のサムライトさんと、初参加のSREさん、キラメックスさん、サイボウズさんにご参加いただき、ライトニングトークとディスカッションをおこないました。

ownedmedia_workshop_vol3.jpg

余裕をかます、さくらのナレッジ編集長の鈴木さん(笑)。


参加企業のメディアをまずは紹介しておきましょう。

<さくらインターネット 鈴木さん>

さくらのナレッジ

言わずと知れたホスティング、データセンター企業。エンジニアの方々との接点を持つべく2013年4月にさくらのナレッジをオープン。筆者として、弊社の長内(おさない)も参加しています。


<SRE 阿部さん>

オウンドメディア・ミー

サイトの構築、オウンドメディアの構築運用をされています。業界ごとのオウンドメディアまとめサイト、「オウンドメディア・ミー」を作っています。見つけたものを日々登録して、社内のスタッフのネタ帳としても機能しています。


<サイボウズ 風穴さん>

サイボウズ式

風穴さんはサイボウズ式でtech カテゴリをご担当。元々雑誌(アスキー)の経験が長く、紙とWeb両方の視点をお持ち。この日のライトニングトークお一人目


<キラメックス 伏田さん>

TechAcademy マガジン

ITに特化したスクール(テックアカデミー)運営。メディア運営は2012年12月に開始。伏田さんはマーケティング全般を担当しており、この日のライトニングトークのお二人目。


<サムライト 柴田さん、後藤さん>

サムライト

2014年2月にローンチした、オウンドメディア・企業ブログのキュレーションサイト。大手企業やスタートアップなどが運営する"質の高い自社メディア”から多くのコンテンツが集まっています。


当勉強会は、ライトニングトークをしつつ、トーク議題やそれにまつわるアレコレを自由にディスカッションする流れで進めます。では、さっそくライトニングトークにいきましょう。この日のお一人目は、サイボウズ式の風穴さん。


「やくもの」 (サイボウズ:風穴さん)

アスキーで紙の雑誌やLinux Japanで編集者・ライターとして長年経験を積まれた後、サイボウズにジョインしてサイボウズ式のtechカテゴリをご担当中。企業のメディアなので、画像利用や著作権は意識せねばならないし、そういうことを考える習慣が身についているとのこと。

cybozu01.jpg

サイボウズ式は週2本くらいの更新頻度。原稿料をお支払いして、外部の著者陣に書いてもらっています。サイボウズ式にアクセスが増えることは狙いつつも、記事はCCライセンスで提供しているので、(ほぼ)すべてコピーフリーとなっています。たまに記事がハフィントンポストに掲載されることもあります。

ソーシャルシェアでの反応は多いけれど、ページビューを稼ぐのは指標にしない。まずは読んでもらうことが一番」だそうです。

約物(やくもの、英: punctuation mark)とは、文字組版など言語の記述に使用する記述記号類の総称で、句読点・疑問符・括弧・アクセントなどのこと。元は印刷用語で、「しめくくるもの」の意。または、煉瓦・タイルなどで、縁に配置するために他と形状を変えてあるものを約物(「役物」とも書く)と称する。※引用元 ウィキペディア

紙メディアでは常識ですが、Webメディアでは”やくもの”が徹底されていないことが、風穴さんは「オールドタイプなメディア出身なので、気になってしまう(笑)」のだそうです。

厳密な決まりや正解があるわけではないけれど、キモは「読み手に負担を与えない」こと。紛らわしい表現、認識しづらい表現にしないためにきっちり細部にも気を配っています。

文章を分かる人が見ると、「このメディアはちゃんと書いているなぁ」とか「ここはちょっと素人っぽいな」と判断できるので、できれば気にした方が良いというお話しでした。


たとえば、

Acceptable  どうだった?とまりは言った。
Better    どうだった? とまりは言った。

「?」の後ろに全角スペースを開けることで、どこで文章が区切られているかがわかりやすくなります。非常に細かいので、実践しているWebメディアは少ないです。ちなみに、大御所と呼ばれる著名な先生方は一言一句を非常に気を使って書いてらっしゃるんですって。

主文に対して付け足すカッコ書きも、文を切らないで、カッコの後に「。」を書くことで、どの主文に対しての補足がわかる寸法。厳密には、「。」の位置で意味が違います。


Acceptable  そうだったのか。。
Better    そうだったのか……。

三点リーダーを2回使うのが正解。1回だと目立たないので2回が基本。読点で代用すると、ただのスペルミスに見えてしまうのでよろしくありません。


Acceptable  そして翌朝---。
Better    そして翌朝――

ダーシを必ず2個セットで使うこと。


心がけると良いポイントとしては、

  • 「文」の終端を明示する
  • カッコ書きの句点に注意する
  • 2倍表記で認識しやすくする
  • こういう配慮がされた文章は、ストレス無く読めるものです。

    あと、約物がしっかりしたメディアを運営するメリットとして、「著名な方に原稿をお願いするとき、きちんとした媒体である」とわかっていただける効果があるそうです。外部の著者が多数いらっしゃるサイボウズ式だけに、説得力ある言葉ですね。

    cybozu2.jpg

    質疑とディスカッションをまとめました。

    Q: Webは横書きが基本だけど、「ブロックを一字下げするかどうか」でいつも悩む。

    風穴さん: 改行で段落間を開けているので、下げなくてもよいかなと思う。


    Q: ライターが複数いたら、表記がズレてしまわない?ちゃんとした人もいれば、そうでない人もいるし。

    風穴さん: 編集側で対応する。メディアごとにルールも違うので、著者に気を使わせず、自由に書いてもらっている。ただし、「約物については、編集部のレギュレーションに合わせますね」とは理解いただいている。


    Q: Wordの表記ゆれチェックみたいな、校正ツールはありますか?

    風穴さん: 文章を書く意図によって異なるので、機械的ツールは完全とは言いがたい。人の目によるチェックは欠かせない。ジャストシステムの校正エンジン、ATOKクラウドチェッカーはWordよりいいかも。


    Q: 紙のメディアの編集部では、ルールが明文化されているもの?

    風穴さん: 雑誌の編集部では持っていた。校正専門の人が2人いて、クロスチェックしていた。とはいえ、ミスはどうしても生じてしまう。エディタ(ソフトウェア)、エディター(編集者)とかで書き分けたりもしていた。


    Q:英語の場合は?「オーストレイリア」なのか「オーストラリア」なのか?ちなみに某社では、Webに関しては「検索して表示数が多い方」がマジョリティと判断して優先していた。

    風穴さん:Webでは原文表記。そこは決めの問題。例外に出会ったら、共同通信の記者ハンドブックを参照してそれに習う。IT用語は迷ったら英語の原文で。ちなみに、新聞社の記者ハンドブックは市販されているので、一冊手元に置いておくのもよいだろう。


    Q:差別表現チェックは?

    風穴さん: 目で見て確認する。ATOKはチェックできるはず。前述のATOKクラウドチェッカーも使える。細かい話だが、「カメラマン」も正確にはポリティカルコレクトではなく、私は“写真家”と表記する。厳しいNGワードは対応するが、「カメラマン」くらいはそんなにうるさく言わなくてもいいという人もいるだろう。


    Q: 表記ゆれでトラブった過去は?

    風穴さん: 表紙の名前が間違って、刷り直した話は聞いたことがある。


    Q: 登録商標は?

    A: 本当は気にすべき。「デジカメ」は三洋電機の登録商標なので使わなかったが、その後いろいろあって最近は、あまり気にしなくなっている。携帯音楽プレーヤーを「ウォークマン」と称してしまうのは、やめたほうがいい。


    風穴さん、ありがとうございました!続きまして、キラメックスの伏田さんのライトニングトークです。


    「オウンドメディアにおける告知経路の増やし方」 (キラメックス:伏田さん)

    伏田さんは、以前に楽天のマーケティングでリスティング広告をされており、その後移られたキラメックスでITスクール事業テックアカデミーのマーケティングをご担当されています。

    kiramex1.jpg

    2012/12にスタートしたTechAcademy マガジンの月間PVは約30万。商材の性質上、認知から申し込みまでのリードタイムが長いのが特長です。ニーズが顕在化したユーザが少ないので、「見込み客が興味を持ってくれるコンテンツを発信しよう」と考えてのローンチだったとのこと。

    「戦略的にハウツー記事を増やしていて、検索経由の訪問者に役に立つ情報を提供しようという姿勢で運営しています。実際に検索からの流入が8-9割で圧倒的。IT系は初心者向けの記事が意外と少ないので、読んで勉強になるページを増やそうと考えています」

    SEO周りだと告知経路(ソーシャルや検索等)の話が出てくるので、オウンドメディアにも適用できるお話しとして、ライトニングトークいただきました。

    AISASで言うと、「I」のInterestのところ。興味を持つ人を連れてくるのが大事です。とはいえ告知経路がないと見られないので、シェア、ツイート、被リンク、検索流入、継続的な流入確保をせねばなりません。

    告知経路の種類としては、「1. RSS」、「2. メルマガ」、「3. ソーシャルメディア」があります。

    RSSとメルマガは、トラフィックが増えてからじゃないと拡大しません。ただし、ソーシャルメディアは使い方によってはその前に増やすことができます。

    告知経路のソーシャルメディアとしては、「FBページ + 広告」、「TWアカウント + 広告」、「G+ページ」を取り組んでみました。告知経路拡大のため、自社コンテンツを投稿する以外に、自社以外のコンテンツを投稿することもありました。ペルソナに沿った役立つ情報なら、きっと喜ばれるだろうという考えの元でおこないました。

    ちなみに、自社コンテンツは、「いいね!、リツイートを計測」、「アクセスの多い時間を把握 インサイトなど」、「GAのリアルタイムをチェック」しています。自社以外のコンテンツは頻度が限られますが、「気になるニュースをシェア」、「役立つ情報を更新」し、こちらもいいね!やRTを計測しています。

    「ユーザー名のフォロワーに似たユーザー」のターゲットを使って、自社アカウントのフォロワーに似たユーザー向けに配信すると効果が高いです。ただし、単純にいいね!やフォローが増えればよいとは考えていません。

    G+ページは、今後より大切になってくると考えています。会社名を検索すると、G+ページの投稿が表示されるのと、Gメールの右側に表示されるのが理由です。


    経路を増やしてよかったこととして、「定期的に見に来てくれる人が増えた」、「サイトの被リンクが増えた」ことが挙げられます。こうすることで企業としての信頼関係が構築できますね。

    kiramex2.jpg

    以下、主な質疑とディスカッションです。

    Q: 自社以外のニュースも流すとのことだが、自社とどれくらいの関係性がある?

    伏田さん:“ IT+教育”というテーマからはみ出ない内容であればOK。「自社のメディアに掲載してもおかしくない内容か?」と自問する。その判断は自分でやっている。ニュースを貯めておいて、タイミングを見て流すようにしている。


    Q: 過去記事のアナウンスってします?

    伏田さん: ときどきする。内容をアップデートしました、とか。外でニュースがあったときに、関連する過去記事を掘り出してシェアしたり。


    Q: Twitter広告の効果はどうだった?

    伏田さん: 自分で試した限りでは、割りと良かった。ただ、一気に出てしまうので、入札価格を下げて様子を見て徐々に拡大している。FBはちゃんと制御してくれる。


    Q: FBは一定数を超えると広告費が上がる。期間で見ると増えることがあるような?

    伏田さん: ある時期、クライアントが増えて広告価格が急騰したことはある。


    Q: ソーシャルに流すタイミングは?

    伏田さん: 他社同様、正午ちょっと前とか。自社では20~21時が結構反応がじつは良い。恐らく、ターゲット層がその時間帯に仕事の一息をつくタイミングなのかなと(笑)。インサイトで上がっているタイミングや曜日はチェックしている。あと、金曜日は20~21時にやっても効果は薄い。


    Q:ソーシャルの計測方法は?FBはインサイトがあるが、Twitterは?ちなみにシックス・アパートでは、ソーシャルアカウントのシェア数把握はBufferを使っている。

    伏田さん:今のところ特別なツールは使っていない。Twitter広告はもともと代理店経由でしか出せなかったが、今後Yahoo経由で掲載できるようになるので、細かく分析していく予定。


    Q: TechAcademy マガジンは、コンバージョンに貢献している?

    伏田さん: 徐々に貢献しつつある。母数で言うと、検索やFacebook広告からのコンバージョンが多い。


    Q: TechAcademy マガジンのFBページはの10000以上いいね!がある。どう増やした?プレゼントキャンペーンで一気に増やすのがよくあるパターンだが、キャンペーン終了後はどうしても下がってしまう。

    伏田さん: 広告とFBページの運営も使いながら徐々に増やした。


    伏田さん、貴重なお話、ありがとうございました!


    以上、第3回オウンドメディア勉強会の様子をお届けしました。運営してみてつくづく思うのが、社外の方との意見交換やディスカッションって、むちゃくちゃ勉強になるし、発見が多いです。オウンドメディアって、これが正解って決まっているわけではなく、各社各用に運営しているのだと思うので、けっこう試行錯誤されていらっしゃるんですね。


    オウンドメディアを検討中の方、始めてはみたものの試行錯誤されている方、他社での実践や方法論にご興味のある方は、お気軽に「オウンドメディア勉強会紹介ページ」からご連絡ください。

    <おまけ>

    差し入れにいただいたお菓子の中で、ひときわ異彩を放っていたのが駄菓子のキャベツ太郎。デカすぎて、9人がかりでも完食できませんでした(笑)。

    cabbage-tarou.jpg

    オウンドメディア勉強会 関連記事

    Six Apart のメールマガジンを購読しませんか?

    月に2〜3回、WEBマーケ、WEB制作、オウンドメディア運営に役立つTIPSや無料セミナー情報をお届けします。

    Six Apart をフォローしませんか?

    次へ

    社員が持ち回りでライトニングトークする社内イベント、数年続けたらこんな効果がありました

    前へ

    子どもと携帯電話・インターネットの関係について、改めて考えてみた